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ソニー・新〈ブラビア〉のココがすごい! オーディオビジュアル評論家 麻倉 怜士 ハイクォリティへのさらなる挑戦! 新高画質回路「X-Reality PRO」にソニーのこだわりをみた
ソニーの新高画質回路「X-Reality PRO」をもっと知る

ソニーの春の新製品のテレビ群に、私は大いに注目している。これほど複数の有用な画質技術が結集したモデルチェンジは、数年ぶりのことだ。それは精細感向上、色の再生範囲、ダイナミックレンジ、明所コントラスト、動画解像度……とあらゆる分野を改革しているのである。ネットワークの話が注目されることが多い昨今のソニーのテレビだが、それだけではないテレビとしてのベーシックな部分の性能向上が、ここにきて著しいことに私は目を見張ったのである。
 今年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)。ソニーブースで比較的目立たないところにテレビの画質技術が展示されていた。「X-Reality PRO」という、今春モデルに採用されたその画質改善パッケージに、私の目は奪われた。そこで行なっていた、いかにこれらのテクニックが画質を上げるかの一対比較のデモンストレーションがひじょうに印象的だったからだ。私は、その旨を早速、HiViをはじめとするネットニュースに上げた。動画解像度、明所コントラスト、色再現、ダイナミックレンジ……と、画質のあらゆる側面での改善をアピールしていたが、なかでも私が注目したのが、“超解像”だった。

 再生系で、解像力を上げる超解像技術は、ここ数年、業界のトレンドである。今回のソニーの画質改善の目玉も、実は“超解像”であった。帰国後、私はソニー本社にて「X-Reality PRO」が入った新製品「HX920」の画質をチェックする機会を得た。その時の模様を再録しよう。
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▲ 2011年1月に米・ラスベガスで開催された「2011 CES」ソニーブースにて。「一枚板の」という意味の“Monolith”から「モノリシックデザイン」と名付けられた新〈ブラビア〉たち(撮影:麻倉怜士)
麻倉 怜士の2011 CESレポート


「X-Reality PRO」の中核を成す“高精細”機能
「これが高精細機能の使用前と使用後の違いです」――ソニー(株)の本江 寿史氏(ソニー株式会社 コンスーマー・プロフェッショナル&デバイスグループ ホームエンタテインメント事業本部 ホームエンタテインメント開発部門1部 バックエンドシステム担当部長)が言った。はじめはインターレースのSDからプログレッシブHDへのアップコンバート。動きに伴うラインのフリッカーが、大幅に減ったことが分かる。コントラストがリッチになり、黒の安定感が増すことで、見た目の精細感も上がった。I/P変換に着目すると、斜め線のぎざぎざ感や、じらじらのノイズ感が大幅に減少している。

 アップコンバートを伴わないインターレースHDからプログレッシブHDへのI/P変換はどうか。Super HiVi CASTでのインターレース収録の動画コンテンツ(キューバの実写風景)を再生したが細部の表情がより精密になり、グラテーションがより円滑に、顔の立体感、実存感がより強く感じられるようになった。

 この高精細に関しては、「リアリティ・クリエーション機能」で細部の出方を「切、オート、マニュアル」でコントロールできるが、「切」と「オート」では、大袈裟に言うと、まるで別ものの映像のようだ。曇り空が急に晴れ、ヴェールがはがされ、精細な表情が表に出て、粒子感が繊細になり、精密な色の階調感が出てきたのである。

 この変貌を演出した高精細機能は、階調情報を格段に上げる「スーパービットマッピング(入力8ビット→出力14ビット)」と共に、ソニーの新高画質回路「X-Reality PRO」の中核を成す。なぜ、その効果が圧倒的に高いのか。
これが「X-Reality PRO」を成すデバイスだ
▲ 左は既発売モデルにも採用されている「X-Reality」。写真右の“「DRC」の進化形”ともいえる新チップ「XCA7」との組合せが「X-Reality PRO」の正体だ
Super HiVi CASTで「HX920」の画質をチェック
▲ Super HiVi CASTをリファレンスに、新〈ブラビア〉最高峰モデルの「HX920」の画質をチェック。グラデーションが円滑で、細部の表情がより豊かになった印象を受ける

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