「BDの再生画質に関しては、必ず毎年、顕著な進化を仕込むことがわれわれのモットーです」と、画質担当の濱田が言った。総合的画質回路、CREASについての言及だ。CREASが搭載された08年からの進化の足跡を振り返ると、確かに濱田が胸を張るのも理解できよう。
初年度は、SBMV
*を始めとして適応処理を入れたCREASをデビューさせた。09年はLSIを洗練。10年はメインのLSIは継続し、上級モデル用にCREAS PROとして新LSIを開発。映画のフィルムグレインノイズを精密に再現させる技術など、より緻密に画質を深掘りした。
これらの開発技術は、改良を加えながらすべて最新モデルに引き継がれ、要所で大いに効果を発揮している。例えば、大面積で色のグラデーションが現れる部分に出る階調ノイズに対しては、初代で開発したSBMVが、改良を経て、実に効果的に対処してくれる。毎年新規開発してきた技術が集結し、目を見張るほどの画質向上に結び付いているのだ。
*SBMV(スーパービットマッピング・フォー・ビデオ)
BD/HDD RECORDER
ソニー BDZ-AX2700T
オープン価格(実勢価格23万円前後)
●録画可能メディア:BD-R/RE(BDXL対応)、DVD-R/RW●HDD容量:2Tバイト●外付けHDD対応●内蔵チューナー:地上/BS/110度CSデジタル×3●接続端子:AV出力1系統、色差コンポーネント出力1系統(D4)、HDMI出力2系統、デジタル音声出力2系統(光/同軸)、USB端子3系統ほか●消費電力:50W●寸法/質量:W430×H81×D288mm/約6.0kg
ではこの秋のCREASはどのように進化したか。「基礎体力の向上が本モデルのテーマでした」と濱田は言った。基礎体力とは信号処理の16ビット化、コントラストリマスター(自動調整)、精度を高めたクロマアップサンプリング処理、3D映像から視差情報を解析し、映像の特徴と視差分布に合致した立体感処理の「3Dエンハンス」など多くの技術開発のこと。
中でも大いに注目すべきポイントがあった。原信号に入っているオーバー・シュート(輪郭強調によって生じる輪郭左右の白線)を、可能な限り細くすることに挑戦したのだ。ハイビジョンになり、信号の精細度は大幅に増したが、オリジナル信号ですでに加えられているシュートは、これまでの再生装置では対処していなかった。ランダムノイズや階調ノイズは、前述のように有効な対策がとられたが、オーバー・シュートについては、信号そのものであるという定義から取りようがないとされてきた。
「指摘されてからわれわれもずいぶんトライしてきたのです」と濱田が明かした。しかし「対策は一進一退で、なかなか有効には働きませんでした。細くすることだけなら、なんとかできるのですが……」。
では今回は?「今年は思い切って非線形のフィルターを新調しました」。特筆すべきは、その結果として精細度の向上が見込めたことだ。シュートを細くすることは、周波数的に言うと中域レベルを下げることだ。すると相対的に高域のレベルが上がり、その分細部のヴィヴッドさが際立つ。
こだわりといえば音質も、その大いなる対象であった。「BDZ-AX2700Tでは、音づくりの手法を根本的に変えました」と音質担当の桑原。「従来はまず音を詰めてから映像を映していましたが、今回は、音づくりのまさにその場で映像を映すことにしました。AV機器として音と映像は同時に楽しまれるものですから」。
これは重要な慧眼だ。信号は別だから独立して扱えるわけだが、AVの本質を追求するなら、AV同時再生の環境で音を調整しなければならない。音と映像は、互いに大きく影響しあうからだ。桑原はさらに言った「電源が効きました。今回は電源をかなり強化した結果が、音にストレートに反映されました」。
電源を強化するのには理由があった。3番組同時のAVC長時間録画という機能の大幅強化を図るためだ。しかも、BD-ROM再生、BDへの高速ダビング、DLNA配信も同時に行なうという贅沢な仕様。そのパワーを確保するための電源強化が、さらに音の改善を支えた。
マルチタスク機能に加え、ソニー初の外付けHDD対応、そして豊富な録画機能など、技術的要求の高い壁を越えながらも、根幹である画質、音質のさらなる進化を目指す。ソニーのBDレコーダー開発は、複眼的な視点からクォリティ向上に挑戦しつづけているのである。
提供:ソニー
※文中敬称略
外付けUSBハードディスク

別売りのHDDをUSBケーブルで接続することで、録画容量を増やすこと(最大2TB増設)ができる。登録は最大で10台まで可能。また、内蔵HDD、BD、USB HDDの3つの媒体に長時間同時録画が可能だ
↑増設のUSB HDDでは、「オートグルーピング」「追いかけ再生」「ダイジェスト再生」「チャプター自動作成」「チャプター編集」「毎系録画設定」など、内蔵HDD同様の便利な再生・編集操作ができる。またUSB HDDごとに名前登録ができるため、膨大な量の録画番組も容易に整理できるのは大きなメリットだ
↓スマートフォン Xperia

↑CHAN-TORU アプリ画面
Webアプリ・
CHAN-TORU Ver 3・0*1を使えば、外出先からでもスマートフォンをとおしBDレコーダーを操作することができる
操作可能な機能
●リモート録画予約 ●予約番組確認 ●番組検索
●録画済み番組確認 ●音声検索
*2
●録画タイトル整理 ●ランキング表示
●容量確認
*1「Gガイドテレビ王国CHAN-TORU」はソネットエンタテインメントが運営するサービスです *2「Koe-Kara」アプリが必要です
↓ソニータブレット Sシリーズ
↑画面の大きいタブレット端末やPCでは、CHAN-TORU画面がふたつのタブで構成され、より見易く使い勝手が向上
●BDソフト、ブルーレイ 3Dソフトの視聴
●録りためた番組を他の部屋で閲覧
●以前に録画した番組のBDディスクへの高速ダビング
●3番組にチャプター自動作成
●追いかけ再生/早見再生
●3番組の「おでかけ転送用動画ファイル」を同時作成