Stereo Sound ONLINE ホーム > 特集 > ELAC NEW 50 LINE SERIES > VOL.1 : REVIEW by KOJI YAMAMOTO

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“ジャーマン・メタル・ビューティー”と呼ぶべきクールなサウンドと佇まい
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▲ 50V型プラズマモニターの左右に見えるのが「その美しいプロポーションにノックアウトされた」330 CE
 ぼくは自室のサブシステムに、50V型プラズマモニターとの組合せで、ドイツ製スピーカー・エラックの300ラインシリーズ最新機種、300 CEと310 CEを4.0chで使用している(後者はサラウンドチャンネル用) 。

 きびきびと鳴る躍動感にあふれた音に魅了されたのが、両モデルをサブシステムに選んだ最大の理由だが、もう一つは、エラックの輸入元(*株式会社ユキム)が「ジャーマン・メタル・ビューティー」と呼ぶ、クールなエクステリアにシビレタのも購入の大きな動機だった。

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▲ HiViベストバイの常連でもあり、ロングセラーを誇る33 0CE(写真・上右)と310 CE(写真・上左)、写真・下はBS 243
HiViベストバイ
 2つのユニットのサイズぎりぎりに設定された瓢箪形のバッフルと、奥に長いアルミ押出材のメタリックなエンクロージャー、それを3点支持のスパイクを介して受ける美しいプロポーションの専用スタンド。330 CEのそのみごとな造形美に、ぼくはノックアウトされたのだ。

 そんなわけで、我が家を訪れる多くの友人・知人にこのシステムの音を聴かせてエラック・ファンを増やす活動にいそしんでいるのだが(別に誰にも頼まれていないのだけど……) 、オーディオに関心のない音楽ファンの友人からは、「エラックのスピーカー、確かに音がいいしルックスもかっこいいけど、この値段はちょっと払えないよ。もっと買いやすいモデルはないの?」という反応が返ってくることが多かった。

「いやいやあるよ、もっと安いエラック。BS 243とかBS 182 とか……」という説明を友人たちにしていたところに、輸入元から、新しい50ラインシリーズの発売を始めるとの情報が。その想定価格を聞いて「そりゃいくらなんでも安すぎるんじゃ? 」とはげしく驚いたぼくは、さっそく輸入元の試聴室に駆けつけ、音を聴かせてもらうことにした。まずはぼくの好きなエラックならではの小気味いい闊達な音がするのかどうかを確かめるために。
エラックの持ち味を活かした新50ラインシリーズ3モデル
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▲ 今回発売されるラインナップ中、最上位モデルのFS57.2
 エラック50ラインシリーズを構成するのは、ブックシェルフ型のBS 52.2、同じくブックシェルフ型のBS 53.2、それにフロアスタンディング(トールボーイ)型のFS 57.2である。価格は、BS 52.2が4万円、BS 53.2が5万円、FS 57.2が8万円。それぞれがペア価格(税別)という驚きのロープライスだ。

 もちろん価格が価格だけに、同ブランド上級機のようなJETトゥイーターやパルプにアルミを貼り合わせたハイブリッドコーン・ウーファーは使われていない。この3つのスピーカーに採用されたユニットは共通していて、トゥイーターは25mmのファブリック系ソフトドーム、ウーファーはラッカー塗装されたパルプコーン。BS 52.2のウーファーが110mm径で、BS 53.2とFS 57.2が145mm径だ。前者がシングルウーファーで後者がダブルウーファー仕様となっている。仕上げは、すべて灰色がかった黒のブラックアッシュ。バッフル前面には値段に不似合いな、じつにしっかりとしたメタルグリルが装填されている。価格は驚きの安さだが、そのルックスは精悍で、安っぽさを感じさせないところがいい。

 3モデルそれぞれの音の印象の違いは後述するが、3機種ともにそのプライスタグが信じられない、エラックの持ち味が活きた、小気味いい闊達な音を聴かせてくれたことをまずはご報告しておこう。

顕微鏡でのぞきこんだようにベースとドラムスの表情がわかる明晰なサウンドのBS52.2、BS52.2とは対照的におっとりと穏やかな印象のBS53.2、そしてオーディオとAVの両方を楽しみたいFS57.2
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ELAC BS 52.2
¥40,000(ペア・税別)

●形式:2ウェイ2スピーカー・密閉型●使用ユニット:ウーファー・11cmコーン型、トゥイーター・2.5cmシルクドーム型●クロスオーバー周波数:2.5kHz●感度:84dB/2.83V/m●インピーダンス:6Ω●寸法/重量:W136×H210×D165mm/2.3kg

 ではまず、いちばん小さなBS 52.2の印象から。

 本機は先述したように3機種の中でもっとも小さな110mm径ウーファーが使われており、しかも本機だけ密閉型のエンクロージャーが採用されている。つまり、バスレフポートから位相を反転させたユニットのfゼロ(低域共振周波数)以下の音を放射して低音の量感を稼ぐ、小型スピーカーでお馴染みの手法が採られていないのである。

 そんな成り立ちのスピーカーだけに、その音の聴かせ方は他の2モデルとかなり異なる。提示される音場のスケールは小ぶりで低音の量感こそ乏しいものの、音の質感は緻密で、じつに切れのよい澄んだ低音を聴かせるのだ。

 70年代ソウル・ミュージックの輝きを現代に甦らせたエリック・ベネイの新作CD『ロスト・イン・タイム』を聴いたが、リズム・セクションの解像感の高い描写力に驚かされた。顕微鏡でズームアップしたかのようにドラムスとベースの表情がありありとわかるのだ。この明晰なサウンドを、ペア4万円のスピーカーが奏でるとはにわかには信じられない。

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ELAC BS 53.2
¥50,000(ペア・税別)

●形式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型●使用ユニット:ウーファー・14.5cmコーン型、トゥイーター・2.5cmシルクドーム型●クロスオーバー周波数:2.2kHz●感度:87dB/2.83V/m●インピーダンス:4Ω●寸法/重量:W170×H285×D235mm/5.5kg


BS52.2とは対照的な印象のBS53.2
 スピーカーをBS 53.2に替えると、音の表情は大きく変わった。ウーファー口径が145mmと一回り大きくなり、スピーカー背面にポートを設けたバスレフ型の設計により、低音がより豊かな、鳴りっぷりのよさを訴求するサウンドに変貌したのである。

 エリック・ベネイのアルバムで聴けるキックが深く沈み込むようになり、ベースの余韻もより豊かに。そして、ベネイのヴォーカルにも太い幹が感じられるようになったのである。ただし、音の表情はBS 52.2に比べると、おっとりした穏やかな印象になる。

 このBS 52.2とBS 53.2の音調の違いはじつに興味深かった。箱庭を愛でるように音楽のディティールを精査し、モニターライクに楽しみたい方は前者を、もう少しリラックスして音楽とゆったりと向き合いたい方は後者を選ぶとよいだろう。
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オーディオでもAVでも、どちらも楽しみたいFS57.2
 FS 57.2は、BS 53.2と同じ145mmウーファーを2基使用したフロアスタンディング型スピーカー。音調は予想通りBS 53.2の延長線上にあり、より低音の量感が増え、ゆったりと聴かせるチューニング。

 すごい低音が収録された最新のブルーレイ映画ソフトなどに対しても難なく応えてくれそうな印象だ。40〜50V型クラスの大型フラットテレビの両脇に置いて、オーディオとAV両方を楽しみたいという方には、まさに恰好のスピーカーだろう。
ELAC FS 57.2
¥80,000(ペア・税別)

●形式:2.5ウェイ3スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:ウーファー・14.5cmコーン型×2、トゥイーター・2.5cmシルクドーム型
●クロスオーバー周波数:700Hz、2kHz
●感度:89dB/2.83V/m
●インピーダンス:4Ω
●寸法/重量:W200×H940×D300mm/14kg
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ELAC 2011 SPRING NEW 50 LINE SERIES
問合せ先:株式会社ユキム
TEL :03(5743)6202
http://www.yukimu.com/
▲ ELAC 50 LINE シリーズ:左からFS 57.2, CC 51.2, BS 52.2, BS 53.2, SUB 50ESP

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