Stereo Sound ONLINE ホーム > 特集 > ELAC NEW 50 LINE SERIES > ABOUT “ELAC”(エラックについて)

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photo  ここで、エラックの歴史をひもといてみよう。エラックはドイツ北部に位置するキール(Kiel)市に本社を置く。キール市は第二次世界大戦時に軍港として名を馳せた街で、連合国を震撼させた潜水艦 “Uボート”の本拠地である。ぼくは一度、同社の取材でキールを訪ねたことがあるが、近くの港にはUボートが展示され、この地に今なお、戦争の爪痕が生々しく残っていることをリアルに実感させられたのだった。

 創業80年を越えるエラックは、そもそも潜水艦のソナー(水中音波探知機)製造からその歴史が始まったという。長らく培ってきたその音の技術を、戦後、平和産業の象徴ともいえるオーディオに活かすことに方針転換し、フォノカートリッジの生産に着手、
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▲ 山本氏をして「驚くほど小さいのに鳴りっぷりがよく、躍動感にみちた音」といわしめたCL310JET(現在は生産終了)
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▲ 600LINE
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▲ 240LINE
独創的なMM型の考案で、エラックは世界中のオーディオファイルの注目を集めたのだった。そして1980年代前半にCDが登場すると、アナログレコード関連商品の遠くない落日も視野に入れ、すばやくカートリッジと同じトランスデューサー(変換器) たるスピーカーの開発を始め、現在に至るのである。

 わが国に最初にエラックのスピーカーが紹介されたのは、1998年の大阪ハイエンド・ショウ、製品は今や定番として名を馳せるCL310JETだった(現在は生産終了)。ぼくはそのすぐ後にCL310JETを聴くチャンスを得たが、驚くほど小さいのに鳴りっぷりがよく、躍動感に満ちたその音に瞬く間に魅了されたのだった。そしてそれまで抱いていた、「ドイツのスピーカーは子音を強調して高域が耳障り」という個人的偏見を吹き飛ばす、真っ当な帯域バランスを有したインターナショナル・モデルだと思ったのである。
自社工場で生産されるドイツ製クラフトマンシップの技
 その後のわが国のオーディオ市場におけるエラックの躍進には、目を見張るものがある。今では300ラインシリーズの他に、600、240、180という4つのハイファイ・グレードシリーズを用意した、豊富なラインナップを持つ総合スピーカーメーカーとしてその令名を馳せている。

 これらエラック製ハイファイ用スピーカーの最大の特徴は、上級機に搭載されている、高音域を受け持つトゥイーター“JET”と呼ばれる独自のベンディングウェーブ形式のユニットを採用していることだ。これはカプトンと呼ばれるフィルム素材をプリーツ状に折り曲げて、それを伸縮させることで高音域を放射する方式のドライバーユニット。一般的なドーム型トゥイーターに比べて振動板面積が大きく取れるため(現JET IIIは25mmドームの約10倍)、パワーハンドリングに余裕があり、音量を上げていっても高音がヒステリックに聴こえないよさがある。

 また、中低音を受け持つウーファー振動板にも大きな特徴がある。クルトミューラー(ドイツ) 製パルプコーンにアルミを貼り合わせたハイブリッド・ダイアフラムが採用されているのである。紙と金属という異種素材を組み合わせることで共振ポイントを分散させ、クセの少ない音を生み出そうというものだが、現在では、エントリークラスの180ラインシリーズ以外のスピーカーは、強度を高めるために振動板表面にクリスタルラインという矩形加工が施され、よりいっそうの高音質化が図られている。

 また、これまた特筆すべきポイントだが、エラックはこのJETトゥイーターやハイブリッドコーン・ウーファー、キャビネットの製造を、すべてキールにある自社工場で開発・製造することを基本としている。JETトゥイーターに用いるカプトンの折り曲げ加工など、熟練クラフツマンによるていねいな仕事ぶりを、以前にエラック社を取材した際に実際にこの目で確かめることができた。そしてエラックの製品に対する信頼感をよりいっそう深めたのだった。
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▲ 180LINE
 上級機で培われたエラックの持ち味が活かされ、3モデルそれぞれの個性をしっかりと発揮するエントリーライン新50シリーズ。いち早くその音に触れ、わが国でエラック・ファンがますます増えることを確信した。ユーザーの音楽との向き合いかたに合わせて、それに相応しいラインナップを用意しているところに、エラックのスピーカーメーカーとしての実力の高さを改めて思い知らされた気がする。

 手頃な価格で本格的な音を手に入れたいとお考えの方は、まずこのエラック50シリーズをその候補にすることをお勧めしたい。
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ELAC 2011 SPRING NEW 50 LINE SERIES
問合せ先:株式会社ユキム
TEL :03(5743)6202
http://www.yukimu.com/
▲ ELAC 50 LINE シリーズ:左からFS 57.2, CC 51.2, BS 52.2, BS 53.2, SUB 50ESP


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