HOME > 新製品レビュー > 新製品レビュー:Deff Soundのプリメインアンプ「DDA-AMP1」は机上にピッタリ
2016年5月18日/木村雅人
今回の「新製品レビュー」は、Deff Sound(ディーフサウンド)のプリメインアンプ「DDA-AMP1」を紹介する。(編集部)
Deff Soundはスマートフォンアクセサリーを手がけるDeffが、2013年にオーディオ部門として立ち上げたブランドだ。社名のDeffは“Design Evolution For the Future”から取っており、「独創性の高いアイデア」と「進化するデザイン」で、時代に合ったライフスタイルの提案と、その未来を想像したいという想いが込められているという。
DDA-AMP1は寸法W110×H72×D108mmとコンパクトなプリメインアンプで、利用シーンはデスクトップオーディオを想定していると思われる。アルミブロックから切削した厚さ3.5mmのシャーシを採用するなど、スタイリッシュかつ、高級感のあるボディは手に取った時の重みと相まって、所有者を大いに満足させるだろう。
また天板裏側からはロッド(棒)が伸びており、D級アンプIC(TI製TPA3116D2)と直接コンタクトすることで放熱する仕組みになっている。制振効果も高いだろうから音質への貢献も果たしているだろう。同社のフィロソフィーを象徴しているようなアイデアだ。
接続端子はアナログのみで、前面にはヘッドホン端子(3.5mmステレオミニ)、背面にはライン入力(RCA)を1系統装備。スピーカー端子はバナナプラグ対応だがYラグは使用できなかった。背面にUSB-A端子が用意されているがこちらは給電専用になる。同社のUSB DAC「DDA-DAC1U」に電源を送る時に使いやすさとデザインを考慮して、この位置に配置されているようだ。
D級アンプは先述の通りTI製だが、ニチコン製コンデンサーのほか、音質の要となるボリュウムにはアルプス電気製が使われている。なお同ブランドはDeff Soundという言葉の響きから想像すると海外製品のように感じるけれど、「信頼のジャパンメイド」を選定し、品質をともなったれっきとした日本ブランドである。
試聴環境は筆者のデスク上で行なう事にした。再生機器はiPad Proで、スピーカーにはダイヤトーンDS-100ZVを用意。ファイルはYouTubeから「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のトレーラーと、CDからリッピングしたエルビス・コステロ/バート・バカラックの「Painted From Memory」から『Such Unlikely Lovers』を中心に聴いてみた。
DDA-AMP1は立ち上がりの鋭いサウンドだ。最大出力が35W×2ということで、試聴前はDS-100ZVの130mmウーファーをドライブするのは少し厳しいかと思っていたが、程よいグリップ力で元気な音を聴かせてくれた。
「ミッション:インポッシブル~」では穏やかな効果音を聴かせつつも、セリフが埋もれず聴きとりやすかったのは好印象だ。『Such Unlikely Lovers』はパワーの不足したアンプだとトランペットの抑え目なタンギングの音像がぼやけやすい。しかし本機は温かみのあるサウンドが耳に心地よかった。コステロのヴォーカルも特定の音域を強調したりせず、リラックスした声を聴かせてくれる。「小型アンプだってこれだけスピーカーを支配できる」といったポリシーよりも、肩ひじを張らない素直なサウンドと感じた。デスクトップでゆったり音楽を聴くにはちょうどいいアンプと言えるだろう。
<SPECIFICATIONS>
Deff Sound DDA-AMP1 オープン価格(想定市場価格¥60,000前後)
●最大出力:35W×2(4Ω)
●SN比:100dB
●接続端子:アナログ音声入力2系統(RCA、3.5mmステレオミニ)
●適応インピーダンス:4~8Ω
●寸法/質量:W110 × H72 × D108mm/640g(本体)1kg(ACアダプター含む)
上杉研究所 藤原伸夫氏設計・製作 6L6プッシュプル・インテグレーテッドアンプ
Sun Audio SVC-200 管球王国ヴァージョン (プリアンプ)
真空管と採用パーツの変更で音質と安定性の向上を図った限定高音質仕様
エレハモ製6550EHと優れた特性のトランスが活きたパワーアンプ