HOME > 新製品レビュー > Stereo Sound ONLINE新製品レビュー:試聴/視聴時のポリシー
2016年10月20日/木村雅人
2016年3月からStereo Sound ONLINEの「新製品レビュー」がスタートした。以来、主に私が筆者としてこの記事を担当し、これまで様々なオーディオビジュアル製品を紹介している。今さらと思われるかも知れないが、私が担当したレビューが、どのような環境で試聴/視聴をし、またどういった方針で取材しているのかを紹介していきたい。
製品レビューにおいて読者諸氏にとってもっとも気になるのが、製品の実力だろう。例えば「どのような音質傾向なのか」、「画質はどこが優れているのか」、「使い勝手はどうなのか」、「デザインや使われている素材やパーツ等のクォリティ」といったポイントだ。もし購入候補として考えている方であれば、なおさら気になって仕方ないだろう。これらは私自身も気になっている項目、積極的に紹介したいと考えているため、時間の許す限り取材を行なっている。
しかし、製品の取材状況によって印象が変わるのも事実だ。同じような価格帯のスピーカーを紹介するのに、アンプやソース機器がそれぞれ違っていたり、そもそも試聴している部屋が異なってしまったりしたら……。これは映像機器にも言えることで、日差しの具合ひとつで印象も変わってきてしまう。
そこで、新製品レビューを取材、執筆するのに当たり、私は「できるだけ環境の変化をなくし、紹介する製品の魅力だけを純粋に引き出す」をポリシーとし、以下のルールを設けている。
▼取材場所について
基本的に取材する場所は筆者のAVルームとしている。取材機の都合上、別の場所で取材した場合は、どこで試聴/視聴したのかを必ず明記し、環境の概要を説明する。
▼システムについて
筆者AVルームの常設機器は2016年8月時点で以下の通り。
・スクリーン:オーエス STPサウンドマット(140インチ 16:9)
・プロジェクター:JVC DLA-HD750
・ユニバーサルプレーヤー:パイオニア BDP-LX88
・AVアンプ:パイオニア SC-LX87
・スピーカー:ダイヤトーン DS-2000ZX(L/C/R)、DS-200ZX(LS/RS/LSB/RSB)、ダイヤトーン DS-W461+自作エンクロージャー(SW)
・パワーアンプ:トライゴン モノローグ(L/C/R/LFE/SW用)、アキュフェーズ PX-600(LS/RS/LSB/RSB用)
筆者の部屋の内寸は、横が5.8m縦が7.5mの変形六角形で、高さは一番高い所で2.85mとなっている。防音処理が施された空間で、天井と壁には吸音層と反射層をそれぞれ設けている。床は床鳴りを抑えるために、0.5mmの鉛のシートを敷いた。詳しい説明はStereo Sound ONLINEの連載「Masato’s G clef Lab.」の2013年3月から5月ごろの時期に掲載されているので、興味のある方はご覧いただきたい。
▼機材について
例えばスピーカーが取材対象の場合は、スピーカーだけを入れ替え、他の製品は筆者のリファレンス品としている。製品の仕様や規格によってやむを得ず他の製品を組み合わせた場合は、その内容を明記する。また製品の使用目的によっても同様である
▼接続について
取材機に使うケーブル類は筆者が普段使っている物とし、電源ケーブルについては原則製品付属品としている。これはケーブルによるキャラクターの変化を避けるためで、別のケーブルを用いる場合は、その理由と使った製品名を必ず明記する。
なお電源の取り方もアナログ系とデジタル系は分けており、ノイズ対策やアースループ対策も考慮している
▼取材機の設置
・スピーカー
メーカーからスタンドが発売されている場合はそれを使う。もし、適当なものがない場合や借用スケジュールの都合上用意できなかった際には、筆者所有の物から相性の合った物で試聴を行なう。なお部屋常設のフロントスピーカーは移動せず、その周囲に配置する。また、取材対象製品の音への影響を最小限とするために音響パネルをスピーカーバッフル面に設置している
・ソース機器
取材用のラックに乗せて再生している。ただし、接続方法によってはこの限りではない。
・アンプ
パワーアンプやプリメインアンプについてはフロントスピーカーの中央に設置。スピーカーケーブルを短くして、アンプの能力を最大限発揮できるように配慮している。
AVアンプの場合は部屋の後方に設置し、すべてのスピーカーのケーブルがなるべく等距離になるようにしている。
・映像機器
照明を利用する場合は、テレビなら画面後方のみとして映り込みがないようにする。プロジェクター視聴時はもちろん部屋を完全に暗くする。スクリーンはオーエスのSTPサウンドマットで140インチ、ゲイン0.7のサウンドスクリーン仕様である。なおこの部屋は壁から光の反射はほとんどないので、画質への影響があったとしてもごくわずかだ。
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他にも細かい点がいくつかあるけれど、その内容は必要に応じてここの記事をアップデートしていきたい。それ以外については文章内容や取材時の写真などで感じ取って頂ければと思う。筆者自身も可能限り環境を固定して取材を行ないたいし、私の執筆した新製品レビューを読んで頂いている方に、製品の魅力を少しでもお伝えできるよう心掛けているつもりだ。
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