HOME > 新製品レビュー > 新製品レビュー:JVCのネイティブ4Kプロジェクター「DLA-Z1」は衝撃の高画質だった
2017年2月22日/木村雅人
今回はJVCの4KプロジェクターDLA-Z1を紹介する。このモデルは昨年末発表されるとJVC初のコンシューマー向けネイティブ4Kパネルとレーザー光源を採用したプロジェクターとして話題になったのはご存知の方も多いだろう。発売間もないのに全世界で数百ものバックオーダーを抱えているとのことだ。取材機の関係上、今回は、ごく短時間の視聴であったがその映像を出来る限りチェックした。
本機の主な機能は以下の通り。
・新開発のネイティブ4K D-ILAデバイス(0.69インチ)
・レーザー光源
・4K対応高解像度レンズ
・光学エンジン
・HDR対応
同社のフラッグシップモデルだけあって、光出力は、3,000ルーメンと高く、ダイナミックコントラストにいたっては、無限大というスペックだ(レーザー光源なので全黒時は、光出力をゼロにできるので、無限大コントラストが実現できる)。100インチ超の大画面スクリーン、あるいは、筆者が使用している0.7という低ゲインの幕面であっても、HDRが持つピーク輝度を最大限に体験できると言って差し支えないだろう。
本体サイズと質量はちょっと気になるくらいに大きく、重い。横幅500×高さ235×奥行720mmという大きさは専用シアタールームを構える筆者宅でもかなりの存在感。レーザー光源を初めとする贅沢な光学系を搭載するためには、必要なサイズなのだろう。37kg超という質量は最近のプロジェクターとしてはかなり重い。多くは、天吊りでの設置となるはずだから、実際の導入にはきちんとした設置のために必要な費用も見積もっておなかないといけない。
でも本機を購入する方はこんなことは気にしないのかもしれない。待ちに待ったJVCのネイティブ4Kプロジェクターなのだから……。
なお本機はレンズカバーが取り外し式となっている。もし電動シャッターを付けるとしたら全長がさらに長くなって、設置が今以上に制約されてしまうのかもしれない。
視聴はいつも通り筆者の部屋で実施した。UHDブルーレイの視聴用機器としてパナソニックのDMP-UB900も用意してもらった。視聴前には画素調整を入念に行なったが、視聴個体の借用の都合もあり、補完関連の画質調整項目のみオフにした以外の画質調整は行なわず、今回は基本画質のチェックに専念した。視聴ソフトは『エクソダス:神と王』のUHDブルーレイで、モーゼが追放されるシーンを中心に視聴した。
JVC DLA-Z1から描き出された映像は、筆者の想像を超えた画質で、ある意味ショッキングだった。馬の荷物から剣を見つけ出した時の、眩く光る黄金のグラデーション描写に思わず「参ったな」とつぶやいてしまったほどだ……。
炎天下のシーンであっても影は黒く、太陽に照らされた金属や水面はまぶしいぐらいに明るい。ネイティブ4Kパネルと3,000ルーメンの高光出力、ダイナミックコントラスト無限大という高性能が成せるワザなのだろう。
価格や本体サイズという部分で、購入者を選ぶ存在。そんなプロジェクターであるJVC DLA-Z1。もしも、本機を自宅シアターに招き入れることが出来た幸運な方は、驚異の表現力にこのうえない満足感が得られるに違いない。
なお次回は、同社のDLA-X770Rを紹介する予定。その時に本機との違いも紹介したい。
<SPECIFICATIONS>
JVC DLA-Z1 ¥3,500,000(税別)
●投写デバイス:0.69型D-ILAデバイス×3
●解像度:水平4096×垂直2160画素
●明るさ:3,800ルーメン
●光源:レーザーダイオード
●接続端子:HDMI入力2系統、RS-232C端子1系統、LAN1系統ほか
●消費電力:最大750W
●騒音レベル:約26dB
●寸法/質量:W500×H235×D720mm/約37.5kg
筆者・木村雅人氏の試聴/視聴ポリシーはこちらからご覧ください
上杉研究所 藤原伸夫氏設計・製作 6L6プッシュプル・インテグレーテッドアンプ
Sun Audio SVC-200 管球王国ヴァージョン (プリアンプ)
真空管と採用パーツの変更で音質と安定性の向上を図った限定高音質仕様
エレハモ製6550EHと優れた特性のトランスが活きたパワーアンプ