HOME > レビュー > 【速報】第4回 DEGアワード/ブルーレイ大賞グランプリは「山猫」に!
2012年2月15日/Stereo Sound ONLINE 編集部
本日2月15日、東京・銀座のソニービル8階にあるイベントスペースOPUSで、「第4回 DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の受賞作品の発表と授賞式が行なわれ、グランプリ作品に「山猫」が選ばれた。
グランプリを受賞したIMAGICA TVを代表して、伊藤明氏が「『山猫』はルキーノ・ヴィスコンティ監督の名作です。レストアを担当したマーティン・スコセッシが率いるザ・フィルム・ファウンデーションにも感謝をしたいと思います」と、受賞の喜びを語った。この作品のレストアにはのべ1万2,000時間が費やされたというのだから、その苦労の甲斐もあったのではないだろうか。この「山猫」は、先に発表された「第27回HiViグランプリ」でも企画特別賞を受賞している。
「この作品は本当に画期的だと思います。封切り時よりもいい画質が実現されています。クラウディア・カルディナーレを初めて見たバート・ランカスターが、彼女のあまりの美しさに顔色が変わってしまう、そんなことまでもが8Kスキャニングだと伝わります。単に高画質だ、というだけでなく、物語がちゃんと語られるようになるんです。まさに“世界遺産”とも言える作品がディスクの中に封じ込まれているのです。この「山猫」のように、こだわればこだわるほど、そのこだわりに応えてくれるのがブルーレイディスクというメディアです」とコメントしたのは、審査委員長の麻倉怜士さんだ。
DEGアワード/ブルーレイ大賞は、ソフトメーカーやAV機器メーカーが加盟する「DEGジャパン(デジタル・エンターテイメント・グループ・ジャパン)」による主催で、今年で4回目を数える。
この大賞は、ブルーレイの魅力をアピールすることで、更にブルーレイ産業の発展となることを目的とし、前年にリリースされたブルーレイ・ディスクの中で、もっともBDの特徴を活かした優秀な作品を決定するビッグイベント。審査対象となるのは、2011年1月1日から12月31日の間に国内でリリースされたブルーレイ作品だ(※一般作)。選考対象作品としてエントリーされたすべてのディスクを選考委員によって審査し、各部門の受賞作品を決定する。また、一般ユーザーからの投票よるユーザー大賞も設けられている。
授賞式の会場では時に大きな歓声が湧き上がりながら、次々と授賞作品が発表されていった。では、今回の受賞作品をすべてご報告しておこう。
(★印は受賞作品)
【グランプリ】
★山猫 (紀伊國屋書店)
評価ポイント
グランプリとして文句なしの作品である。ヴィスコンティ監督のこの名作のオリジナルフィルムには、ここまで豊潤な情報量があったのかと驚かされる。伯爵家の金色のカーテン、真紅の絨毯、古色蒼然の壁の色など、ヴィスコンティが追求した本物の邸宅の質感が、光輝くように迫って見える、深い映像表現力に感動を禁じ得ない。最近、昔見た名作をもう一度見直すユーザーが増えている。この作品のように、世界的な名作を徹底的にレストアし、大切に発売することは、ブルーレイディスクの今後の重要なミッションという意味も込めて、グランプリを与えたい。
【ベスト高画質賞・映画部門(洋画)】
★ハリー・ポッターと死の秘宝PART1 DVD&ブルーレイセット(ワーナーエンターテイメントジャパン)
・ソーシャル・ネットワーク(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
・パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
評価ポイント
シリーズがアカデミー賞撮影賞にノミネートされるなどその高画質には定評がある。本作品もその伝統を崩さず、実にハイクオリティな作品だ。暗部シーンでは階調の異なる黒を描き分け、明るいシーンでも飛びがちな肌の質感が自然に映し出されている。全体的にフィルムトーンを意識してテレシネを施しており、フィルム感をうまく残しつつ絶妙のバランスで作り込んでいる。
【ベスト高画質賞・映画部門(邦画)】
※選考段階で同率ポイントの作品があったため4作品をノミネート
★相棒-劇場版II-警視庁占拠!特命係の一番長い夜(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
・借りぐらしのアリエッティ(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
・ノルウェイの森(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
・耳をすませば(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
評価ポイント
解像度が高く、非常にメリハリの効いた映像である。しかし、そんなにもディテールが豊富なのだが、画面にはノイズが目立たないのが不思議である。実に丹念に作り込んだ跡が伺える。立体感も感じられ、登場人物の肌やメガネの汚れなど、細かい所まで質感が明確に確認でき、誰にでも高画質だと分かりやすい作品に仕上がっている。
【ベスト高画質賞・ビデオ(TV・ドキュメンタリー・音楽)】
★HealingIslandsOKINAWA3~沖縄本島~(ビコム)
・NANAMIZUKILIVEGRACE-ORCHESTRA-
・FRINGE/フリンジ<サード・シーズン>コンプリート・ボックス(ワーナーエンターテイメントジャパン)
評価ポイント
シーサーのディテール表現など見た瞬間、圧倒される。臨場感は群を抜いている。このシリーズは3年目のもので、カメラセッティングも格段に向上しており、フルハイビジョンのフォーマットを最大限に生かすこだわりが痛切に分かる。96kHz/24ビット・非圧縮の音源を用いた音質も極めて良好。今後のエンターテイメントのあり方として、映像も音声もハイクオリティでなければならないという提案を大いに評価したい。
【ベスト高画質賞・アニメ】
★カーズ2(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
・シュレックフォーエバー ブルーレイ&DVDセット(パラマウントジャパン)
・豆富小僧DVD&ブルーレイセット(ワーナーエンターテイメントジャパン)
評価ポイント
劇場で見た驚きをそのままパッケージにした作品だ。ディテールまできわめて丁寧に描写され、作品に込めたこだわりがダイレクトに伝わってくる。1台1台の車に新旧の質感を与えることで、それぞれの性格を見せるというテクニックは素晴らしい。ピクサー作品は世代を重ねるごとに表現力が向上している。メタリックなメッキや古ぼけた、さびた感じの金属調の質感の描き分けが見事の一言。アニメは階調飛びや擬似階調が出やすいものだが、本作品は非常になめらかだ。艶っぽい光、やわらかい光などライトによる質感表現が多彩である。
【ベスト高音質賞・音楽】
★佐渡裕 指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(NHKエンタープライズ)
・ヴェルディ《椿姫》英国ロイヤル・オペラ2009(日本コロムビア)
・レ・ミゼラブル25周年記念コンサート(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
評価ポイント
96kHz/24ビットの音は抜群。低音が雄大で同時に全帯域にわたり大変優れた解像力が特徴。ショスタコーヴィチ交響曲第5番第4楽章のフィナーレでは、弦の音が強く鳴り響く中、打楽器が強奏され、その迫力はただものではない。ホールの雰囲気が豊かに捉えられ、オンマイク収録の楽器の音とのバランスも好適。音の立ち上がりのスピード感が速く、奥行き感・臨場感に優れ、打楽器の音が体を抜けていくような気持ち良さが感じられた。
【ベスト高音質賞・映像】
★バーレスク(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
・スター・ウォーズコンプリート・サーガブルーレイBOX(20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン)
・ロビン・フッドディレクターズ・カット版(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
評価ポイント
迫力ある歌声がホール全体に広がる空間感、進行感が巧みに捉えられている。
主人公の歌声が観客の上に響く様が、まさにその場にいるように聴ける。ガヤと呼ばれる聴衆の雑音が雰囲気豊かに収録され、細かい音への配慮が積み重なり、リアルな空間感を形成している。歌声の地力も素晴らしい。
【ベストインタラクティビティ賞(高機能)】
★浜崎あゆみ/FIVE(エイベックス・マーケティング)
・タクシードライバー製作35周年記念HDデジタル・リマスター版ブルーレイ・コレクターズ・エディション(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
・トロン:レガシー(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
評価ポイント
ブルーレイディスクの特徴を駆使して、音楽メディアをリニューアルしようとするアイディアが卓抜。ユーザーとのインタラクティビティを上手に取り込んでおり、物理メディアだけにとらわれず、ネットワークとの連携、外部メモリメディアへの転送など多様なマルチメディアな仕掛けが施されている。ユーザーがワクワクする高機能がリモコンのカラーボタンで簡単に操作できる。音楽ビジネスの拡大を図るこの「BDM」を高く評価したい。
【ベストレストア/名作リバイバル賞】
★山猫(紀伊國屋書店)
・ウエスト・サイド物語製作50周年記念版ブルーレイ・コレクターズBOX(20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン)
・ベン・ハー製作50周年記念アルティメット・コレクターズ・エディション(ワーナーエンターテイメントジャパン)
評価ポイント
これほどまでのレストアが実現されるとは。敬服に値する超高画質だ。最近の作品とは全く違う圧倒的な情報量を持っている。ヴィスコンティ監督はこれほどの色のインパクトが欲しかったのだと思わされる画の実在感が凄い。見た瞬間、圧倒的な肌の美しさ、解像度、空気感、色の階調感、質感の再現性に惹かれる。まるでスクリーンから発せられているような光の作りこみ。劇場公開時以上のクオリティと感動が自宅で得られる時代が来た。
【ベストBlu-ray3D賞】
※選考段階で同率ポイントの作品があったため4作品をノミネート
★塔の上のラプンツェル(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
・怪盗グルーの月泥棒 3D&2Dブルーレイセット(ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
・ガフールの伝説 3D&2Dブルーレイセット(ワーナーエンターテイメントジャパン)
・元気ロケッツ/“Curiosity”3DMusicClipse.p.(ソニー・ミュージックディストリビューション)
評価ポイント
実に巧みに作られた3D作品映像。近景から遠景まで安定し、ここまで深い立体感が実現されたのは、史上初だ。有名なランタンシーンでは、徐々に増えるランタンが水に映りこみ、実物と反射の区別がつかない幻想的なイメージを醸し出している。背景ぼかしなどの効果で、視差が強くランタンが手前に浮き上がるのだが、疲れない。物語の叙述と感動の増幅に3Dを大変効果的に用いている。
【審査員特別賞】(3作品)
・ソーシャル・ネットワーク(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
評価ポイント
暗いシーンにありがちなノイズが全く認識できない。非常に階調性が良い。従来のほとんどのコンテンツはHDのフルバンドを使いきれていないが、本作品は最大限にHDの情報量を引き出し、周波数特性の偏りがなく解像度的にも大変優れている。絵づくりの新たなトレンドにつながる作品である。
・ヴェルディ:歌劇《椿姫》英国ロイヤル・オペラ2009(日本コロムビア)
評価ポイント
音響的に素晴らしい。オーケストラの音がピットからリアルに浮かび上がるリアリティは他に類のないもの。ステージ上の深く美しい歌声だけではなく、オーケストラの音の繊細な残響感も伝わってくる。海外オペラ作品で国内版として初めて日本語字幕で収録されている。制作関係者の努力と決意を高く評価したい。海外の優れたオペラ作品の国内版の拡大に期待したい。
・スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイBOX(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)
評価ポイント
シリーズ6作品それぞれに見所がある。1977年の「エピソード4」が、驚嘆する高いレベルでレストアされている。「エピソード6」のサラウンドも迫力満点。「エピソード3」の最新でクリアなデジタル映像も素晴らしい。6作品を続けて鑑賞すればブルーレイディスクの可能性が非常に広がっていることを様々なシーンで体験できる。ファン待望のブルーレイ化であり、その期待に見事に応えた点も高く評価できる。
【ユーザー大賞】
・トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン ブルーレイ+DVDセット(パラマウント ジャパン)
評価ポイント
世界中で愛されるアニメーションが元であるだけに、ファンから求められるものは高かったと思う。しかし2作目となった今回は、前2作より圧倒的にリアルの追究がされた作品となった。多様な角度から撮影された映像はCGと現実を曖昧にさせ、まるで本当にそこにトランスフォーマーたちがいるようだった。車に変形する瞬間の美しさ、崩壊したシカゴの街、迫りくる惑星、最早CGはリアルを超えて私たちに感動を与えてくれる。(ユーザーからのコメント原文)
DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞 選考委員
【評論家】
麻倉怜士(AV評論家)※審査委員長
本田雅一(AV評論家)
藤原陽祐(AV評論家)
【雑誌編集長】
明智惠子(株式会社キネマ旬報社 キネマ旬報 編集長)
米崎明宏(株式会社近代映画社 スクリーン 編集長)
長谷川暢紀(株式会社エンターブレイン DVD&ブルーレイでーた編集長代理)
千葉栄(株式会社日之出出版 DVDVISION 編集長)
泉哲也(株式会社ステレオサウンド HiVi 編集長)
岡政人(ぴあ映画生活 編集長)
吉岡広統(日経エンタテインメント! 編集長)
社団法人日本オーディオ協会
DEG ジャパン機器メーカー会員
(順不同、敬称略)


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