HOME > レビュー > 【HiVi編集部によるPCオーディオ実践レビュー 第4回・最終回】RMEのオーディオインターフェースを使ってあんなこともこんなことも!
2012年7月31日/Stereo Sound ONLINE 編集部
Step 4〜応用編②〜
オーディオインターフェースを使って録音にチャレンジ!
オーディオインターフェースはRMEのFireface UCXを使用。録音に用いるソフトウェアはPreSonusのStudio One Free
オーディオインターフェースを使った実験も今回がいよいよ最終回。ここでは応用編として、録音にチャレンジしてみたい。何を録音して楽しむのか、ということが問題になるが、オーディオファンであればLPやSACDということになるだろう。これらをハイレゾリューションのデジタルファイルとしてストレージしてしまおうという寸法だ。
SACDの2chトラックを作成
今回試すのはSACDの2chトラックを作成する方法。SACDは著作権の保護によりプレーヤーから直接デジタル入力を受けることはできないので、SACDプレーヤーのアナログ音声出力を受けて、任意のレゾリューションでデジタル化を図るというのが基本方策となる。
録音には、また新たなソフトウェアが登場する。比較的かんたんに操作でき、かつフリー(無料)であることが望ましい......。そこで選んだのは、PreSonusのStudio One Free。エムアイセブンジャパンのホームページからダウンロードできる。
http://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/free/
オーディオインターフェース同様、こちらも相当な高機能だが、使うのは2chの録音機能のみ。難しく考えずにできればOKとしたいところ。まずはソフトを起動して、「新規ソング」の作成。あとからでも変更可能だが、ここでサンプルレートと解像度を指定。せっかくなので、192kHz/24ビットにて収録を行なう。メイン画面で左の空きスペースをダブルクリックすると新しくトラックを追加できるので、フォーマットをステレオに設定。
さらに、「オーディオI/O設定」で、Fireface UCXの入力端子にあわせてL/Rチャンネルを指定する。SACDプレーヤーからLチャンネルを5、Rチャンネルを6に接続したので、下の写真のように指定した。前準備はここまでで、録音を開始。丸いアイコンの録音マークをクリックするだけ。入力した信号の波形が表示されるので、うまくいっているかどうかは一目瞭然だろう
録音が終ったら、タブメニューから「ソング」→「ステムをエクスポート」もしくは「ミックスダウンをエクスポート」を選び、書き出しのフォーマットや出力先を選んで「OK」。一般の環境で再生できるWAVやFLACのファイルが書き出される。この際、「ループ」や「マーカー」といったソフトウェア上の指定範囲で書き出されるので、曲の切れ目などを指定すればよい。
ファイルのアーカイブ化ということを考えると、アルバム一枚を一気に録音した後、分割作業をするということになるだろう。このソフトで範囲指定やコピー&ペーストをしながらファイルを生成することになる……が、今回はこの部分は割愛。ひとまず、録音した部分の試聴を行なった。
録音を行なったプレーヤーから直接再生した場合と比べ、やや先鋭感が減退する気がするものの、ここまでかんたんに、かつ高精度でデジタルファイル化ができるのであれば何の問題もないだろう。それに、このあたりは再生機として使用しているPCのチューニングにも依るところは大きいはず。PCの再生環境を詰めていけばSACDのリアルタイム再生に肉薄できるのではないだろうか。
さらに、マルチチャンネルの録音も……と思ったが、このソフトでは他のプレーヤーソフトで再生するためのマルチチャンネルでのミックスダウンはできないようだ。別のソフトをつかうにしても、操作が煩雑になりそうなので、こちらはまたの機会に。さて、第4回まで続いた連載だが、いずれの工程も慣れるまでの時間は10〜15分程度。慣れるまでがたいへん、ということでもないので、怖がらずにぜひオーディオインターフェースを手に取ってみて欲しい。文章と写真の説明ではどうしても分かりづらい部分はあると思うので、TotalMixの操作については、以下シンタックスジャパンのビデオガイドなども参考にしていただきたい。
http://www.synthax.jp/tutorials/articles/totalmix-video.html
http://audio.synthax.jp/guide/chapter3/totalmixfx_intro/
おわり
▼使用機材▼
オーディオインターフェース
RME Fireface UCX
オープン価格(実勢価格 14万円前後)
●USB&FireWire対応サンプリング周波数/量子化ビット数:〜192kHz/24ビット
●寸法/質量:W218×H 44×D155mm/1.5kg
●問合せ先:(株)シンタックスジャパン 03-3560-6645
http://audio.synthax.jp/
※シンタックスジャパンでは、PCオーディオ向けの情報を掲載した特設Webサイトを7/13より公開している(上記リンク)。こちらのサイトもぜひ参考にしてほしい。
▼バックナンバー▼
RMEのオーディオインターフェースを使ってあんなこともこんなことも!
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