HOME > レビュー > ケンブリッジオーディオのSystem351で、音楽からBDまで聴いてみた
ケンブリッジオーディオのSystem351は、CDプレーヤーのAzur351CとプリメインアンプAzur351Aに、ブックシェルフスピーカーのSirocco S30をセットにしたオーディオコンポーネントだ。
Azur351C、Azur351Aとも同社に於けるオーディオ入門機との触れ込みだが、フロントパネルにアルミ材を採用しており、質感も上々でAV機器としての満足度はひじょうに高いと思われる。
それぞれのスペックは、Azue351CがCD再生専用機で、同軸/光のデジタル出力とアナログ出力を各1系統備えている。対するAzur351Aはアナログ入力5系統+レックアウト1系統、USB入力1系統という仕様で、System351として使う場合はAzur351Cとはアナログ接続が基本となる。
スピーカーのSirocco S30は、2.5cmトゥイーターと11.5cmウーファーを搭載した2ウェイバスレフ型の小型モデルだ。オリジナルのネットワークやクロスオーバー技術を搭載しており、コンパクトサイズながら50Hz〜20kHzという周波数特性を備えているのが特徴といえる。今回はこのSystem351を使って、CDやハイレゾ音源、BD-ROMをチェックしてみた。
Azur351CとAzur351Aをシステム付属のアナログケーブルでつなぎ、CDを再生してみた。なお、Azur351AにはA/Bスピーカー切り替え機能も搭載されているが、今回はスピーカーBをオフにしている。
一辺が2m強の正三角形の底辺側にSirocco S30を置き、頂点の位置に座ってCDを再生。女性ヴォーカルでは、ひじょうにすっきりとしたヌケのいい声で、定位もクリアーだ。低域がもう少し欲しい気もしたので、トーンコントロール機能を入れてBassを強調してみた。すると低音の量感はでてきたが、ヴォーカルのニュアンスが甘くなる気もしたので、ダイレクト再生に戻して聴くことにした。
続いてウクレレ演奏や男性ヴォーカルのCDも聴いてみたが、特にウクレレでは低音がもう少し欲しい。これは、HiVi視聴室が16畳前後とかなり広く、スピーカーを壁から1m以上離していることも一因だろう。ブックシェルフスピーカーには厳しい再生環境なのは確かだ。
そこでスピーカースタンドをこれまでの金属製から木製に変更して、さらにL/Rスピーカーを50cmほど壁に寄せて同じCDを聴いてみた。すると低域の寂しさが解消され、比較的バランスのいい音場に変化した。Sirocco S30は設置方法によって低域の印象が変化するようなので、置き方には注意した方がいいだろう。
Azur351Aのリアパネル中央にあるUSB-B端子は、サンプリング周波数32/44.1/48kHz、量子化ビット数16ビットまでの音楽データに対応している。そこで今回はMacBook AirとHiVi11月号付録のスープラ製USBケーブルでつなぎ、再生ソフトのAudirvana Freeを使ってCDからリッピングした音源やハイレゾデータを再生してみた。ハイレゾについてはAudirvana Free側で48kHz/16ビットにダウンコンバートしている。
この環境ではドライバー等をインストールしなくてもすんなりと再生でき、ひじょうに快適だ。CDからMP3に圧縮した楽曲や44.1kHz/16ビットのFLAC、192kHz/24ビット音源を順次再生したが、Azur351AとSirocco S30はそれぞれの密度感の違いをきちんと再現し、特にハイレゾ音源ではそれらしい雰囲気を楽しませてくれたのだ。
System351はCDからUSBのデジタルファイルまで、入力されたソースをひじょうに素直に再現してくれるシステムだと思う。
最後に、オーディオシステムとは言え映画ソフトが快適に楽しめないとHiVi読者諸氏は納得できないだろう、ということでソニーのBDレコーダー、BDZ-EX3000をつないで(アナログ2ch)、BDミュージックと「ダークナイト ライジング」を再生した。
BDミュージックは先ほどのハイレゾ音源と同様に、もともとの情報量が反映された印象。弦楽器の低域は素直に減衰していくようで、若干消え際はあっさりしている。ただし、瞬発力や弦の細かいきしみはよくわかる。
ど迫力シーン満載の「ダークナイト〜」では、セリフが心地よく、男声・女声ともに耳馴染みがいい。ただ、橋を爆破するシーンやラスト近くの警官隊の攻防はもっと迫力が欲しい。効果音も線が細い印象だ。
System351で映画ソフトを楽しみたい場合は、アクティブサブウーファーを加えるなどの工夫が必要だろう。
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