HOME > レビュー > 4Kスキャンで蘇った「ゴジラ」公開60周年記念で実現した、リマスター作業の全貌とは(4)
堀切 この部屋ではどんな作業をされたんでしょうか?
清水 ここでは山下が、先日Channel4Kで放送された「ゴジラ4Kプロジェクト」用の28作品の4Kグレーディング作業を行ないました。家庭用の4Kプロジェクターと4Kテレビを準備してあり、その両方でクォリティをチェックしています。
堀切 そうだったんですね。あの番組は色が綺麗で、見応えがありました。
清水 ありがとうございます。4Kの精細感はテレビの方が分かりやすい気もしますので、今日は家庭用4Kテレビで観ていただきます。
山下 まずはオリジナルのスキャンデータと修正後をご覧いただきます。フィルムをスキャンしたままでは、色あせていたりオプチカル合成部分の劣化が露骨だったりしていて使えないんです。今回は全作ともネガからスキャンしていますので、情報はひじょうにたくさん含まれています。ですので、きちんと補正すればこれだけの映像が復元できるのです。おそらくテレシネではここまでの色や情報の復元は難しかったでしょう。
清水 今回の「ゴジラ4Kプロジェクト」も、スキャニングに際してはできる限りオリジナルに近いネガを探しました。ただ、初期の2作品についてはオリジナルが現存していませんので、それに一番近いフィルムを使っています。
残念なことにゴジラシリーズの幾つかはオリジナルネガがカットされているものがあるんです。今回も「モスラ対ゴジラ」はオリジナルネガを取り寄せたら、デュープネガが入っていたんです。そこで短縮版に使われたのではないかとフィルムを出してみたら、これもデュープネガだったんです。で、短縮版が2種類あることがわかり、もうひとつのフィルムを出してみたら、オリジナルのネガがカットされて使われていたんです。今回はそういった新発見も多く、色々と探索しながら製作を進めていました。
堀切 その探索も、好きじゃないとできませんね。
一同 ......(苦笑)。
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