HOME > レビュー > 【麻倉怜士のIFA 2016報告】Vol.03 パナソニック・テクニクスは、これからも多方面で展開していく
9月1日早朝、パナソニックとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の協業が発表された。ベルリン・フィルが手がけるストリーミングサービス「デジタルコンサートホール」の4K/HDR/ハイレゾ化に対し、技術面でのサポートを行うという内容だ。その詳細と、パナソニック・テクニクスのこれからの展開について、IFA会場で麻倉怜士さんが小川理子役員理事に直撃した。(編集部)
麻倉 さきほどパナソニック・テクニクスさんとベルリン・フィルハーモニーの協業が発表されましたが、凄いことが実現しましたね。
小川 一年前のIFAで、ベルリン・フィルの方々がパナソニックのブースを見に来ていただいたそうです。そこでテクニクスもさることながら、映像でも4K/HDRで頑張っていて、画質も素晴らしいということで、今回、先方からアプローチをいただきました。
麻倉 それは素晴らしい。
小川 最初はいったいどのようなことで協業できるのかピンとこなかったんですが、色々聞いているうちに、彼らがやりたいのはトータルで最高音質・最高画質を実現したいということだと分かりました。お話も具体的で、ハイビジョン画質を4Kに変えたいから、パナソニックのカメラを使えないかというのが最初のリクエストでした。
麻倉 当初は、制作に関するニーズだったんですね。
小川 もちろん対応は可能でした。でもせっかくベルリン・フィルさんからお話があったんですから、パナソニックとしてどんな貢献ができるか、どんな学びがあるかを話し合っていきました。するとだんだんお話が大きくなっていったんです。
テクニクスとしても、これからはハイレゾストリーミングが増えていくだろうから、そこにどう対応していくかとか、自動運転の時代になったら車の中でコンサートホールのような音を楽しめないかといったことも考えていました。
麻倉 車の中でベルリン・フィルを聴くというお話も出ていましたね。
小川 そういったところで、新しい音作りができるのではないかと。
麻倉 ベルリン・フィルの「デジタルコンサートホール」は以前から配信されており、各社のテレビにもOTTとして、搭載されたりしていました。
しかし今回は4Kとハイレゾですから、絵も音も違う。ベルリン・フィルの演奏がそれだけの品質でストリーミング配信されるわけだから、それをテクニクスのシステムで聴くとまさに現場の感動が再現されます、というストーリーになると実にいいですね。
小川 今までは絵がよければ音が不充分であるとか、あるいはその逆といったトレードオフの時代が続いていました。しかし映像が4KとHDRになると、これまでのような音場では本当にもったいない。もっといい音にしないと。
麻倉 その音場についても、誰かが勝手に作ったものでは駄目ですね。きちんと元々にあったものを再現する、縮小しました、といったストーリーが求められます。
小川 おっしゃるとおりです。たとえばマイクのアレンジとか、どうやってミキシングエンジニアがミックスしているかといった、源流にさかのぼって、そこから一緒に作っていくというプロセスまで含めていかないと、出口の機器だけ作っていたのではこれからの勝負には勝てないでしょう。
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