HOME > レビュー > 秋のヘッドフォン祭2016速報 世界初の平面駆動型イヤホン、AUDEZE「iSINE」が日本上陸
アスクが取り扱うアメリカのオーデジー(AUDEZE)が、「秋のヘッドフォン祭 2016」で新製品発表会を行なった。
オーデジー副社長のマーク・コーエン(Mark Cohen)さんは、世界初の平面駆動型イヤホン「iSINE10」と「iSINE20」を日本のオーディオファンに披露。12月上旬の国内発売を予定しているという。価格は未定だが、本国ではiSINE10が399ドル、iSINE20が599ドルであり、そこから大きく変わりはしないだろうとのことだった。
iSINEはセミオープンタイプのカナル型イヤホンで、平面駆動型ドライバーには、薄さ数マイクロメートル、サイズ30mmの振動板を採用している。再生周波数帯域は10Hz~50kHz。質量が20gあるため、付属の耳掛け型フックか、耳の内側でホールドするスタビライザーを用いて装着する。イヤーチップは3サイズを同梱。
iSINE10とiSINE20の違いは、振動板にエッチングされているボイスコイルにあり、iSINE20は約2倍の長さを使用しているという。インピーダンスはiSINE10が16Ω、iSINE20が24Ω。
iSINEの特徴として、コーエンさんは「低域のレスポンスがひじょうにフラットです。10Hzから900Hzまでクセのない周波数特性を得ているほか、バランスド・アーマチュア型ドライバーと比べても歪みが10分の1と低いのもポイント。音場が広く、音の一体感にも優れています」と紹介した。
なお、装着する際はイヤーチップを耳に強く押し込まなくてもいいそうだ。チップが密着しないため、長時間の使用で疲れにくいのもiSINEのメリットであり、「イヤホンが苦手な人にもぜひ聴いてみてもらいたい」とアピールした。となるとセミオープンタイプなことと相まって気になるのは周囲への音漏れだが、「意外に心配するほどではないと思いますよ。バリー・マニロウを大音量で聴かない限り(笑)」とのことだった。
ケーブルは、3.5mmステレオミニ端子と、Lightning端子を備えた2種類が付属。「サイファーケーブル」と名付けられたiOS機器用ケーブルは、リモコン部にD/Aコンバーター、DSP、マイクとA/Dコンバーター、ヘッドホンアンプを内蔵しており、48kHz/24bitまでの信号再生をサポートする。
「iOS機器側のD/Aコンバーター、ヘッドホンアンプをバイパスできるサイファーケーブルの方が、明らかに音がいいので比べてみてください。当初は音楽再生のクォリティ向上に注力して開発を進めたのですが、マイクの音質もよくなり、通話品質まで向上しました」と胸を張った。
また、サイファーケーブルと専用アプリ「AUDEZE」を組み合わせれば、10バンドEQが使えるようになる。ここで注目なのは、EQ設定はアプリでなくケーブル内蔵のDSPに保存されるということ。つまり、複数のiOS機器を利用しているユーザーなら、機器ごとにアプリで設定する必要がなく、いつでも自分のEQ設定で音楽を楽しめるというわけだ。
そのほか、質疑応答でハイエンドな平面駆動型イヤホンの開発予定について聞かれると、コーエンさんは「3ヶ月早い質問ですね……」と不敵な笑みを浮かべた。どうやら来年1月の家電見本市CES 2017で、「LCD-i3」なるイヤホンの発表を予定しているらしい。価格は2,500ドル前後とのこと。
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