HOME > レビュー > エクササウンドPlayPointレビュー:多機能性を備えた画期的ネットワークトランスポート
[Digi Fi No.23レビュー]エクササウンド PlayPoint
ただでさえ技術進歩の激しいデジタルの世界だが、とりわけさまざまな再生手法が提案され、より快適な使いこなしが求められるネットワークオーディオの世界は、その傾向が顕著だ。となるとネットワークプレーヤーには、確かな性能を備え持ったハードウェアに加え、フレキシブルに対応できるソフトウェアが不可欠。現在のように、コンテンツ環境の刻々と変わる環境下では、特に後者が重要となる。
であるのなら、DLNAやUPnPはもとより、近年対応機器が増えつつあるOpenHome、その利便性からにわかに脚光を集めているRAAT(Roonの独自規格)など、複数の通信プロトコル(通信のための規約/手順)をサポートできれば、ユーザーの利便性が改善できるだけでなく、機器としての寿命も大幅に伸ばせるのではないか。
そんな発想から開発されたのが、ネットワークブリッジと命名されたPlayPointである。デザインからもお分かりのように、すでに各方面から高い評価を得ている同社のUSB DAC(e22 mk2、e28 mk2)との組合せを想定したネットワークトランスポートであり、前述の各種プロトコルに対応するほか、ソフトウェアのアップデートによって新たなネットワークオーディオ規格も積極的にサポートしていくという。
信号の流れとしては、イーサネット、Wi-Fi、USB経由でデジタルファイルを受けて、独自のゼロジッターアシンクロナスUSBプロトコルにより同社のDACへとデータを伝送するというもの。
音源は384kHz/32bitまでのPCM、12.288MHz(=DSD256)までのDSDの再生が可能で、PCM、DSDともに、ステレオ、マルチチャンネル(最大8ch)再生に対応。また現段階では接続は同社製品に限定されるが、近々、アップグレードサービスにより、汎用のUSB DACも使えるようになるという。
さっそくe22 mk2との組合せで、音を確認する。スピーカーはモニターオーディオPL300Ⅱ、アンプはアキュフェーズのC-2850とM-6200のコンビ。操作は、リンのKinskyアプリを使った。
まず反田恭平のリスト(96kHz/24bit)を聴いたが、とにかく凝縮感に富んだ緻密なサウンドで、響きの粒子が細かい。エッジは鮮明だが、華やかさを演出するようなタイプではなく、あくまでもゆったりと、おおらかに聴き手を芳醇な響きで、覆い包んでくる感じ。独特のきめの細かさが心地いい。
DSD11.2MHz収録のジャズトリオ、「黒いオルフェ」の再生でも、そのテイストはそのまま受け継がれるが、スケール感がより雄大で、音場の見通しもいい。各楽器が織りなす多彩な響きが複雑に入り交じり、熱く、うねるようなスウィング感が新鮮だった。品位の高さで楽しませるサウンドと、日々進化する先進的な機能性。我々ユーザーにとってこの安心感は限りなく魅力的だ。
....................................................................................................
PlayPointとは要するに「ネットワーク上の音源をUSB DACへ送り出すハードウェア」で、いわゆるネットワークトランスポートといえる。ネットワークを介して、というところがミソで、ネットワークにおける伝送言語(プロトコル)を複数対応している点が新しい。従来のネットワーク機器は、基本的にはある特定の伝送プロトコルを前提に設計されており、そのプロトコルが正式にサポートしているサーバーなり操作アプリ以外では、接続や動作が不安定になりがち。本機では、各種プロトコルをカバーすることで、ユーザーが使用したいサーバー/アプリを選択できる。またRoon(Digi Fi No.23の94ページ参照)への対応も特徴で、RoonServerとしても動作する点は新しい
....................................................................................................
Network Audio Transport
exaSound
PlayPoint
¥277,000(無線LAN非搭載仕様、税別)
●対応D/Aコンバーター:exaSound製USB DACのみ(他社製DACへのアップデート予定あり)
●対応サービス:UPnP/OpenHome Renderer、Roon(Roon Server対応)、Apple Airplay、MPD、JRiver、HQPlayer
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:〜384kHz/24bit(PCM)、〜11.2MHz/1bit(DSD)
●接続端子:デジタル出力1系統(USBタイプA)、デジタル入力1系統(USBタイプA3.0)、LAN1系統、ほか
●寸法/質量:W165×H55×D235mm/1.26kg
●備考:マルチch音声出力にも対応
●ラインナップ:無線LAN搭載仕様(¥262,000、税別)あり
【問合せ先】
(株)エミライ 国際貿易事業部
電話番号:03-6206-4710
>>エクササウンドのホームページ
....................................................................................................
上杉研究所 藤原伸夫氏設計・製作 6L6プッシュプル・インテグレーテッドアンプ
Sun Audio SVC-200 管球王国ヴァージョン (プリアンプ)
真空管と採用パーツの変更で音質と安定性の向上を図った限定高音質仕様
エレハモ製6550EHと優れた特性のトランスが活きたパワーアンプ