HOME > レビュー > オーディオクエストDragonFly Red / DragonFly Blackレビュー:好評モデルがスマホ対応に進化
DragonFly Red(左)/ DragonFly Black(右)
[Digi Fi No.23レビュー]オーディオクエストDragonFly Red / DragonFly Black
DragonFly(ドラゴン・フライ)は、オーディオクエストが2012年に初代モデルを発売したUSBメモリー大のスティック状USB DAC/ヘッドホンアンプ。最新モデルであるDragonFly RedとDragonFly Blackは、2013年のヴァージョン1.2をベースに開発されたものだ。両機共通の進化点は、iOSおよびAndroid端末への接続対応。これまではPCへの接続のみだったが、スマートフォンに接続して屋外でも気軽に使えるようになったわけだ。
DragonFly RedとDragonFly Blackの仕様上の違いは(1)DACチップ、(2)アンプ出力、(3)音量調整回路の3点。(1)は、RedがESSテクノロジー製ES9016、Blackが同ES9010をそれぞれ搭載。ともに32bit処理となる。(2)は、Redが2.1Vの高出力対応、Blackが1.2Vの仕様。そして(3)は、Redがデジタル、Blackがアナログ回路という違いがある。いずれもヴァージョン1.2モデルと同様、96kHz/24bitまでのPCMファイルの再生に対応する。
Red、BlackともにUSBメモリータイプというスタイルは変わらず。PCのUSB端子に直挿しする使い方を第一に考えられている。Windows、Macともに標準ドライバーで動作するので、使い方も簡単だ
試聴には手持ちのiPhone 6とMacBook Airを使い、DragonFly RedとDragonFly Blackをそれぞれのスマホとの組合せ、さらにPCとの組合せの、両方で聴いてみた。イヤホンはシュアSE535で、これにonsoのリケーブルを組み合わせている。
まずはDragonFly RedとiPhoneを接続して音楽ストリーミングサービス、TIDALのアプリでポール・サイモンのアルバム『STRANGER TO STRANGER』(44.1kHz/16bit)を聴いてみた。iPhoneに直接挿して聴いた場合よりもヴォーカルが前面に出て、パワー感が強調される。どちらかと言えばドライな調子で、彼のハスキーな声質ともよくマッチしている。低域はすっきりめだが解像度が高く、リズムアレンジを細かく楽しめる。
次にMacBook Airに接続して大貫妙子のアルバム『pure acoustic』(96kHz/24bit/FLAC)を聴くと、ヴォーカルを中心とした中音域を力強く鳴らす傾向は同じながら、弦楽セクションのしなやかで厚みのある再現も好印象。音場感を豊かに聴かせるタイプではないけれど、音像の質感が全体的にレベルアップしているのは一聴して明らかだ。
DragonFly Redに比べると、DragonFly Blackの価格はほぼ半分。では音質も半分ぐらいなのかというと、そこまで大きな差はない。特にiPhoneと組み合わせてストリーミング音源を聴く分には、かなりの音質アップを体感できると思う。同じポール・サイモンの音源をストリーミング再生すると、やはりヴォーカルが力強く前面に押し出される。輪郭がややエッジーになるものの、複雑に絡み合うリズムの妙をRedに近い再現力で楽しませてくれる。
予算的にOKならDragonFly Redを。スマホと組み合わせた持ち出し用に特化するならDragonFly Blackという選択も大いにアリ。そんな棲み分けができそうな2モデルだ。
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USB DAC + Headphone Amplifier
Audioquest
DragonFly Red
¥29,500(税別)
DragonFly Black
¥14,600(税別)
[共通スペック]
●型式:USB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:最大96kHz/24bit
●接続端子:デジタル入力1系統(USBタイプA)、ヘッドフォン端子1系統(3.5mmステレオミニ)
●寸法:W19×H12×D62mm
【問合せ先】
デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオ お客様相談センター
電話番号:0570-666-112
>>オーディオクエストのホームページ
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