HOME > レビュー > アキュフェーズDP-950+DC-950レビュー:最高峰を目指したセパレート型ディスクプレーヤー
[HiVi 2016年11月号レビュー]アキュフェーズ DP-950+DC-950
アキュフェーズの最上位セパレート型ディスクプレーヤーが刷新された。SACD/CD対応のトランスポートのDP950は、超重量級ブリッジ等、アルミブロック切削加工パーツと一体化したオリジナル・メカニズムを搭載。2基の強力なトロイダルトランスを擁した電源部など、惜しみなく物量が投入されている。また、DSFファイル形式で記録されたDSDディスクの再生が可能という点もうれしい。
D/AコンバーターのDC950は、高速FPGAによるデジタル演算による独自の「MDSD」方式デジタル・プロセッシングを採用しているのが最大のセールスポイント。DSDのストレートな(PCM変換しない)D/A変換を実現すると共に、最大384kHz/32bitのPCM信号にも対応している。(-)80dBまでレベル調節可能なデジタル式ボリュウムコントロールを内蔵。本機も、2基のトロイダルトランスを搭載した強力な電源回路となっている。
SACD/CDトランスポートDP-950のリア。出力端子は同軸1系統とアキュフェーズオリジナルのデジタル伝送規格であるHS-LINK Ver2に対応した専用端子を1系統装備している。なお、HS-LINKケーブルはDP-950に付属する
まずは同軸接続と、アキュフェーズ独自のHSリンクを女性ヴォーカルで比較。前者でも立体的かつワイドレンジな音場の中にヴォーカル音像がスクッと立つ、見通しのいい再生音が聴けたが、後者ではさらに透明度が上がり、前後の見晴らしのよいクリアーな世界観が広がった。エネルギーバランスとしても、重心が下がり、さらにどっしり安定した盤石なものとなった。以降の試聴はHSリンクを基本に実施した。
ジャズのピアノトリオのライヴ盤では、奥行方向に広々としたステージが出現。ピアノの響きは鮮度高く、ベースのピチカートやドラムのスティック捌きなど、アタックがトランジェント鋭く響いた。
SACDはステレオサウンド企画の米コンテンポラリー・レーベル盤『シェリー・マン/マイ・フェア・レディ』を試聴。ステレオ・モノ的なミキシングがセパレーション良好なイメージで浮かび上がる。左chのピアノのダイナミクス、右chのベースとドラムの前後感など、ナチュラルなバランスがとても生々しい。
次にDC950のUSB端子にPCを接続し、ハイレゾ音源を再生。ジャズヴォーカルの芳香を感じさせる質感、柔らかで瑞々しいニュアンス等、とても心地よい。伴奏のクラリネットやピアノのテクスチャー再現も実にリアルだ。いっぽうでショスタコーヴィチの交響曲では、大編成オーケストラがそびえ立つかのような重厚な響きが印象的で、堂々として力強い、強固なアンサンブルが堪能できた。
最後に、BDプレーヤーから同軸接続で、BD『オブリビオン』をPCM 2chで再生した。クッキリとしたセリフの描写は実体感が明快。とにもかくにもS/Nがすこぶる高く、粉砕されたガラスを踏む音や隙間風といった微かな暗騒音のリアリティが素晴らしい。サラウンドを実践せず、映画ソフトもステレオ視聴という方には、なかなか興味深い再生音ではないかと思った次第だ。
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SACD/CD PLAYER
ACCUPHASE
DP-950+DC-950
¥1,200,000(税別)+¥1,200,000(税別)
[DP-950]
●型式:SACDトランスポート
●接続端子:デジタル音声出力2系統(同軸、HS-LINK)
●寸法/質量:W477×H156×D394mm/30.6kg
[DC-950]
●型式:D/Aコンバーター
●接続端子:デジタル音声入力8系統(AES/EBU、同軸×3、光×2、USBタイプB、HS-LINK)、
アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)、デジタル音声出力2系統(同軸、光)
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:[USBタイプB入力]~384kHz/32bit(PCM)、
~11.2MHz/1bit(DSD)、[HS-LINK入力]~384kHz/32bit(PCM)、~5.6MHz/1bit(DSD)
●備考:バランス出力HOT=3番ピン(2番切替え可)
●寸法/質量:W477×H156×D393mm/24.2kg
【問合せ先】
アキュフェーズ(株)
電話番号:045-901-2771
>>アキュフェーズのホームページ
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