HOME > レビュー > ソニーHT-ZR5Pレビュー:サラウンド機能にも対応したワイヤレスアクティブスピーカー
[HiVi 2016年11月号レビュー]ソニー HT-ZR5P
つや消しの黒で引き締まった直方体のスピーカーが2本、L/R間はワイヤレスでリンクしている。平面テレビのサイドスピーカーとして存在感を主張せず、あるいはじっくり眺めても整った縦横比や精密感のある三面の開孔パネル、滑らかな稜線の仕上げなど見飽きない。しかも意外なほど音声の表現力があるわけで、これは設置環境とのなじみのよさとともに、ハイレゾを含む各種の音源を気楽に快適な音質で楽しもうという企画意図だ。ならば、これはサウンドバーの延長ではなくワイヤレススピーカーシリーズのSRS-ZR7などの系統に思えるのだ。
ちょっとユニークなのは、L/Rの各スピーカーユニットが完全に同一のものだということ。テレビとの接続の際、L側をテレビとHDMI接続。本機背面(L/Rそれぞれ)のボタンを押すだけでステレオのワイヤレス接続が完了される。搭載ユニットは70mmウーファーと14mmトゥイーター、そして左右対向型のパッシブラジエーターで構成。デジタルアンプはソニー独自の「S-Master」。
有線入力はアナログのステレオミニ端子の他に、USBタイプA端子、HDMI端子などが用意されている。テレビ音声を再生するときはテレビのHDMI端子からARC(オーディオ・リターン・チャンネル)機能で入力する。ハイレゾ音源は192kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまでPCM変換で対応。ブルートゥース接続ではソニー独自のLDACにてハイレゾ音源を伝送できる。
豊かな低域と爽やかな声の再現。音質・機能の充実に意欲がみなぎる逸品だ
CDによる音楽再生では豊かな低域とさわやかな滑舌の声の明瞭度が印象深い。ポップスをほどよい迫力と帯域感で楽しむには実に好適だ。設置法にもよるが、パッシブラジエーターの低域が膨張せず律動感があるのが好ましい。テレビ放送の声は作った声量感や鮮度感なのだが、そこから意外なほど生々しさが伝わるのが素敵だ。映画では『9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜』などダイナミックレンジの広さに破綻せず、ほどよい迫力と空間印象、そして緊張感のある音楽や効果音で異世界を構築している。これは音質と機能面でサウンドバーを超えようという意欲がみなぎる逸品だ。
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SPEAKER SYSTEM
SONY
HT-ZR5P
オープン価格(実勢価格¥50,000前後、ペア)
●型式:2ウェイ2スピーカー・パッシブラジエーター型
●使用ユニット:14mmソフトドームトゥイーター、70mmコーン型ウーファー
●アンプ最大出力:60W(20W+40W)
●対応コーデック:SBC、AAC、LADC
●接続端子:HDMI出力1系統(ARC用)、デジタル音声入力1系統(USBタイプA)、LAN1系統、アナログ音声入力(3.5mmステレオミニ)
●備考:無線LAN内蔵
●寸法/質量:W101×H161×D101mm/1.7kg
【問合せ先】
ソニーマーケティング(株)買い物相談窓口
電話番号:0120-777-886
>>ソニーのホームページ
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