HOME > レビュー > ティアック AI-503レビュー:横幅290mmと小筐体な503シリーズのプリメインアンプ。その実力はフルサイズ級だった
[HiVi 2017年5月号レビュー]ティアック AI-503
ティアックのコンポーネント群には、横幅290mmのA4サイズほどのボディを採用した上級クラスの500シリーズとさらに小型のエントリークラス300シリーズがある。ここで紹介するAI503は上級クラスのプリメインアンプ。同じシリーズのUSB DAC/ヘッドホンアンプのUD503と同様にデュアルモノーラル設計思想DAC/プリアンプ部をもち、パワーアンプにはICE power社のD級アンプを採用している。本機は、USB DAC機能を備えるのでPCなどとの接続で使える。もちろん500シリーズにあるネットワークプレーヤーのNT503と組み合わせて使うのもいいだろう。
このほか、4回路構成の高精度ボリュウムの採用や、ディスクリート構成で最大600Ωのヘッドホンも駆動できるヘッドホンアンプの内蔵など、充実度の高い作りになっている。
試聴はPCとのUSB接続を中心に行った。モルゴーア・クァルテットの『トリビュートロジー』から「タルカス」(96kHz/24bit/FLAC)では、音の鮮度が高く、弦楽四重奏を冴えた音で再現。ヴィオラやヴァイオリンの高域は鋭いと感じるほどで、テンションの高さがよく伝わる。低音の力感も充分にパワフルだし、空間の広さと音場の深さも優秀でスケール感豊かな演奏になる。
続いて、溝口肇の『ミュージック・ブック』から「世界の車窓から」(DSD11.2MHz)を聴くと、チェロの音色がみずみずしく、なめらかな感触の音が得られた。音のなめらかさだけでなく艶やかさなどの質感も豊かだ。ヴォーカル曲もニュアンスをきめ細かく描き、明瞭な音で声の感じをリアルに聴かせてくれた。
最後にシュアSE846を接続してヘッドホンアンプとして試聴したが、細かい音の情報や解像感の高さがよく感じられる音だった。低音はややタイトだが、最低音域までしっかりとよく伸びる。小粒な良品だが、スケール感のある音は充分フルサイズに比肩する実力と言える。
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D/A CONVERTER+INTEGRATED AMPLIFIER
TEAC
AI-503
オープン価格(実勢価格¥128,000円前後)
●最大出力:40W×2(4Ω)、20W×2(8Ω)
●接続端子:アナログ音声入力2系統(RCA、3.5mmステレオミニ)、デジタル音声入力4系統(同軸、光×2、USBタイプB)、プリアウト1系統、ヘッドホン出力1系統(3.5mm4極)
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:~384kHz/32bit(PCM)、~11.2MHz/1bit(DSD)
●消費電力:38W
●寸法/質量:W290×H81.2×D264mm/3.7kg
●備考:3.5mmステレオミニと光デジタル入力2は兼用
【問合せ先】
ティアック(株)AVお客様相談室
電話番号:0570-000-701
>>ティアックのWEBページ
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真空管と採用パーツの変更で音質と安定性の向上を図った限定高音質仕様
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