HOME > レビュー > VODが「高品質」に目覚めた(3):UHQエンコードで配信されている注目の高品質作品を、最新有機ELテレビで観る
「大画面再生にも耐えられる高画質」が自慢の「UHQ(ウルトラ・ハイ・クォリティ)」エンコード。動画配信大手のビデオマーケットが取り組む高品質配信サービスであり、前号で紹介した『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を始め、すでに10タイトルを越える作品を提供中だ。今回は国内で販売されている最新の65型有機ELテレビ4機種との組合せで再生し、その実力を検証する。UHQは有機ELの表現力に耐えうるクォリティに達しているのか、注目だ。
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ダイナミックレンジが広い、応答性に優れる、視野角による影響が少ないなどなど、一般的に広く普及している液晶テレビに比べると、有機ELの画質面の優位性は明らかだ。
画質がいいということは、再生コンテンツの酸いも甘いも正直に描き出してしまうということ。つまり高画質作品はより高画質で楽しめる反面、逆に質のよくない作品は、ノイズや階調不足がよりハッキリと見えてしまうという難しさも秘めているというわけだ。
画質が自慢のUHQエンコード作品は、果たして、最新の65型有機ELテレビの表現力に耐えるだけのクォリティを獲得しているのだろうか。今回はその実力を見極めるべく、HiVi視聴室に最新の有機ELテレビ、4機種を用意し、UHQ品質をじっくりと検証していく。
視聴作品は『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』と『パッセンジャー』。いずれもフルHD/24p収録であり、吹き替え版と字幕版が準備されているが、今回は後者を選択した。なお今回は全機種、メディアストリーミング端末、クロームキャスト・ウルトラ(有線LAN接続)を利用して、HDMI入力から信号を送り込んでいる。
●今回チェックした高品質お薦めタイトル
『パッセンジャー』
●ダウンロード動画販売/デジタルセル 好評配信中
・標準版2160ポイント/視聴期間:無制限
・Full HD/2Kは2700ポイント/視聴期間:無制限
●デジタルレンタル好評配信中
・標準版432ポイント/2日間
・Full HD/2Kは540ポイント/2日間
© 2016 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation, Village Roadshow Films Global Inc. and Wanda Culture Holding Co. Limited. All Rights Reserved.
『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
●ダウンロード動画販売/デジタルセル 好評配信中
・標準版2160ポイント/視聴期間:無制限
・Full HD/2Kは2700ポイント/視聴期間:無制限
●デジタルレンタル好評配信中
・標準版、Full HD/2Kともに 432ポイント/2日間
© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
※デジタルセル版=視聴制限なく何度でも再生できます
まずはティム・バートンのミステリアスファンタジー、『ミス・ペレグリン〜』から。冒頭から視聴者の好奇心をあおるような、ちょっと奇妙な絵柄がフェードイン/アウトで表示され、本編、フロリダのビーチへと続いていく。ビーチの微細な砂、砂浜に押し寄せる波、そこに残る細かなアワと、映像圧縮にはそうとう厳しい素材が満載だが、細部の描写は甘くならず、ブロック、モスキートといった圧縮系のノイズは丁寧に抑えられている。
飛び抜けて高解像度という印象ではないが、どの機種で見ても自然な奥行感、空気感を感じさせる描写で、安定感は上々。力みのないフラットな画調でみせるLG 65E7P、厚みのある色彩描写が特徴的なソニーKJ-65A1、自然フェイストーンが好印象のパナソニックTH-65EZ1000と、それぞれ持ち味は異なるが、映画鑑賞として耐えうる画質レベルは、すべてクリアしていた。
ただディテイルの情報をこれでもかとばかりに掘り起こして、目を見張るほどのハイフォーカスで描き出した東芝65X910は格別だった。輪郭の鋭さといい、微小信号の描きわけといい、まさにリアル4Kを思わせる解像力。ただこれも元の素材に復元のための情報が含まれていればこそ。UHQエンコードの潜在能力の高さを認めざるを得ない。
続いて『パッセンジャー』。無数の恒星が点在する宇宙空間を、宇宙船がゆっくりと進んでいくという有機ELのデモ映像のような冒頭シーンだが、充分なダイナミックレンジを確保しながら、ディテイルを克明に描き出し、しかもノイズがまったくと言っていいほど気にならない。宇宙の暗闇と輝きを放す船体のコントラストは、まさに有機ELの独壇場であり、その深く拡がっていく、宇宙の空間についつい引き込まれてしまった。
4機種ともに、素材としてのクォリティの高さを素直に感じ取れる映像を描き出したが、ここで存在感を示したのがソニーだ。一見、そう大きな違いはないようにも思えるが、じっくり見比べていくと、黒の中の星、恒星の数がもっとも多く、しかもハイライト側の情報もしっかりと抑えて、金属の反射として描き出す。ソニーの高度な絵づくりの賜だが、その期待に応えるだけの情報を備え持ったUHQエンコードの品質も高く評価されるべきだろう。
最新情報によると、昨年話題となった大人気アニメ『君の名は。』もUHQエンコードで配信されるという。UHQの登場をきっかけに、配信全体の画質が押し上げられることを期待したい。
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