ハンル メラEL
 

漆黒の盤面に感動! 静電気を除去して音の艶と立体感をアップ
ステレオサウンド編集長も愛用する、簡単操作のレコードクリーナー

型番 メラEL 価格 550,000円(税込) 送料無料
型番 ダストカバー 価格 30,000円(税込) 送料無料
型番 ローリングブラシ 価格 118,400円(税込) 送料無料
型番 洗浄液(2,000ml) 価格 17,800円(税込) 送料無料

↑実際にレコードを載せた状態。天面右手前、クロームに輝くダイアル状のものは、洗浄液の注入口キャップ。これを外して専用洗浄液を入れる  ※写真のレコードは商品に含まれていません

 わたくしは、自他ともに認めるヴァイナル・ファナティック(熱狂的なアナログレコード愛好者)である。何故か。その理由は、音の良し悪しはひとまずおくとして、アナログレコードを演奏するという行為、アナログ機器を調整するという作業が、このうえなく楽しく面白く、飽きる気配がまったくないからだ。

↑正面からみて右手の洗浄ブラシ。その内部につながれたチューブを経由して、洗浄液が盤面に到達する。ブラシ先端が盤面に触れるか触れないか、そしてブラシの端面が盤面と平行になるよう、調整するのがポイント。洗浄液の使用は、フロントパネルのボタン操作で
↑左手の吸引機能を持つベルベットブラシ。これで盤面を拭き取りながら、汚れや洗浄液を吸引・乾燥させる。レコードのレーベル面は,吸盤のように吸着するウェイトでカバーされるため、洗浄液でぬれるようなことはない

 少し昔なら、アナログレコードはどこの町でも買うことができた。今は、できない。だができないのは、どこの町でも、というところであって、実は、大都会、通販、インターネットにおいては、今でも潤沢にレコードは流通している。これまで製造されたレコードの枚数は天文学的な数字であり、それらの一部がいわゆる中古レコードとして市場に出ただけでも相当な量であることはすぐに判る。また、かつての名盤の復刻は盛んであり、これらはつまり、新品のレコードである。こうした復刻盤の中には本当に優れたものがあって、例えばクラシック音楽では、クラシックレコーズによるRCAビクター、スピーカーズコーナーによるマーキュリーの復刻などは、わたくしは、オリジナル盤にひけをとらないものとして捉えており、愛聴盤になってしまったものも多い。また、ミュージックマターズのブルーノートを始め、ジャズやロックの分野でも素晴らしいと思える復刻作業が新たに行なわれているのである。新録音のアナログ盤に関しては極めて限られている状況であるが、それとて絶無ではない。だからわたくしは、中古、新品を問わず、現在でも、さほどの苦労はせずに、よくレコードを購入する。ついでだが、新盤と中古盤、オリジナル盤と再発盤をあまり差別しないのが、アナログを楽しむコツだと思う。

 つまり、今でもアナログレコードは割合と簡単に入手することができますよ、ということが言いたいのであるが、ここで問題となるのが、レコードのコンディションだ。とくに中古盤においては、長い年月にわたるホコリの付着等々によって、不要なノイズを発することが多い。わたくしはヴァイナル・ファナティックではあるが、アナログ盤特有のプチプチとしたノイズが聴きたいわけではない。したがって、ずいぶんと前から、洗浄式のレコードクリーニングマシンを部屋に備え、これぞという盤にはクリーニングを行ない、できるだけよいコンディションでレコードをかけるよう心がけてきた。

↑ターンテーブルや天板などをはずしてみたところ。右手前は洗浄液のタンク部分。左手前はバキューム(吸引)用モーターと思われる

 一昨年(2007年)末、ドイツのハンルという耳慣れないブランドが開発した、メラELなるレコードクリーニングマシンが日本市場に登場した。価格は55万円(税込)。あまりの高額ぶりに、まず驚かされたわけだが、強烈に心が惹かれるポイントがあった。それは……洗浄液の塗布が電動ポンプでボタンひとつででき、洗浄ブラシも置くだけという操作の簡便さ。ここにそそられた。

 それまで自分が使っていたクリーニングマシンは、洗浄液をボトルから垂らし、ブラシは手で押しあてるという方式であった。こうして文章にすると大した手間ではないと思われそうだが、実際、大した手間ではない。だがしかし、わたくしの性格の問題から、実にこれが面倒なのであった。これを「性格に問題アリ」という。もっとわかりやすくいうと、ものぐさなのである。このクリーニングマシンの出番は相当汚れたレコードだけという、可哀そうな事態が徐々に発生していたことに、その証拠が見てとれる。面倒でないのは、オーディオ装置の調整ぐらい、というほどのものぐさなわたくしにとって、メラELの機能性の高さは、非常な魅力なのであった。

実に簡単な操作で、力も不要

 ステレオサウンド誌166号(2008年春号)で、三浦孝仁さんにメラELの試用リポート原稿をお願いした。試用の際にわたくしは立ち会えなかったのだが、いただいた原稿を何度も読み返すうちに、自分の心の中で、メラELを自宅に導入したいという気持ちが抑えられないほど大きくなっていった。仕方がないので普段はしないケーサンを行なってみた。どういうケーサンかというと、自分が所有しているレコードの推定枚数で、メラELの価格を割ってみたのである。四則演算ならぼくにもできる。そうしたらば、だ。レコード1枚あたりのクリーニング単価は200円以下、という結果が出た。これをレコードの価格に上乗せすると、2,800円のものであればおよそ3,000円になってしまうことになる。4,800円ならばおよそ5,000円だ。10,000円なら10,200円。ということは、中古レコード店の値付けを長年見ている者からすると、これはいわゆる「誤差の範囲」と断定できる。安いものではないか。なので、買った。所有するすべてのレコードを一枚残さずクリーニングすることはないだろうな、という考えは忘れることにした。さすがに別項のトーレンスのクリーナーのようにキャッシュでポンと、というわけにはいかなかったが。

【洗浄前】
一般的な湿式フェルト・レコードクリーナやクリーニング液で、永年クリーニングしてきたレコード
【ハンルクリーナ洗浄後】
永年の演奏により溝は少し傷んでいるが、音質は充分なレベルへ復活

 自室にセットしたハンル/メラELは実に堂々たるものであった。そのデザイン、アクリルの質感に好き嫌いはあろうが、少なくとも安っぽさは微塵もない。音楽を聴くという気分をこれほど阻害しない仕上げのクリーニングマシンは少なかったはずだ。

 早速、クリーニングを実行してみた。思った通り、操作は実に簡単。力も不要。レコードをメラELのターンテーブルに載せ、スタビライザーを置く。ボタンを押すとターンテーブルがまず反時計周りに回転し始める。そこに洗浄ブラシを置き、別のボタンを押すとブラシの隙間から洗浄液が染み出してくる。20〜30秒ほど回転させた後、今度は同じ時間だけ逆方向に回転させる。この両方向回転でクリーニングするのが、ひとつのミソだ。ブラシをレコードから離したら、今度は20〜30秒ほど放置する。この放置時間で汚れを浮き上がらせるらしい。つぎに、バキュームのノズルをレコード面にあて、やはり両方向に回転させ、洗浄液を一気に吸い取ってしまえば作業は終了だ。この間、約2分半。芸が細かいと思うのは、洗浄中とバキューム中では自動的に回転スピードが変化することで、洗浄中はスピードを速くして液をいわば攪拌状態にしてその効果を高め、バキューム中はスピードを遅くしてじっくりと不要な洗浄液を吸い上げている。これひとつで判るように、実に配慮が行き届いた製品なのである。

 心躍らせ、クリーニングしたレコードを聴いてみた。だが、聴いてみるのはいいのだけれど、クリーニングして即座にレコードをかけてはいけない。強力な吸引力で水分はほとんどなくなっているとはいえ、レコード面はまだわずかに水気を含んでいるからだ。水気を含んだレコードをかけるとどうなるか。下手をすると取り返しのつかないノイズを盤面に刻んでしまうことになる。ノイズを刻んでしまった経験者が言うのだから、たぶん間違いはない。したがって、少なくとも数分はガマンすることが必要だ。できれば20〜30分ガマンできれば立派な大人といえよう。話が逸れた。聴いた感想を書かねばならないのだった。

 クリーニングマシンにわたくしが期待することは、まず、ゴミに起因するノイズの除去である。メラELの、その効果のほどは絶大と言っていい。洗浄式クリーナーの中でもトップクラスである。また、ちょっとしたカビと思われるようなものでさえ、かなり綺麗さっぱりと除去してくれる。クリーニングしたレコード盤面をしげしげと眺めると、艶が違う。そこにはまさに漆黒が存在した。しかし驚くのはその先だ。楽音自体も艶と立体感が増し、クリアーでかつ、よくハモるサウンドになってしまったからである。歪み感も減る。レコードの盤面にはプレスの際に使われた剥離剤やビニールから析出した成分が付着していると言われるが、それらも効果的に除去してくれたのだろうか。よって、新品のレコードにも極めて効果的である。わたくしは、クリーニングマシンに音質の変化は期待していないし、変に変化してもらっては困るのだが、この変化は歓迎せざるを得なかった。自分のレコードコレクションの自分にとっての価値が、圧倒的に上がっていくような気分を覚えたくらいだ。

↑メラELに付着するホコリを防ぐダストカバーもオプションで用意されている。ただし、別売のローリングブラシを装着すると、その一部がダストカバーに触れてしまうので注意が必要

 もうひとつ、ハンルのクリーニングマシンについて記しておけねばならないのは、レコード盤の静電気を取り除いてくれることである。専用の洗浄液に帯電防止剤は配合されていないというが、アース処理の徹底化のせいか、あのバチバチとした静電気が気にならなくなるのは本当に有難い。最近製造されたレコードはほとんどすべてと言っていいほど帯電に留意されておらず、そのままでは演奏のたびごとに静電気が蓄積され、わたくしはとてもイヤな思いをする。昔製造されたレコードにもそういうものがある。それが、ハンルのクリーナーを用いると、当分、静電気を気にせずにレコードをかけられるようになるのだ。レコード盤に帯電防止剤を配合すると音が悪くなるという説もあるようだが、ここは音よりも気分を優先させていただきたいものである(静電気除去に関してはSFCの除電ブラシSK-IIなども有効だ)。

 ただし、レコード盤の物理的な変形・損傷によるノイズまで取り除いてくれるわけではないし、盤質そのものの荒れによる継続的なプチプチした音がなくなるのではないことは、一応ねんのため申し述べておきたい。

クリーニング効果をさらに高める強力オプション

 今年(2009年)、ハンルのクリーニングマシンに強力なオプションが登場した。それはローリングブラシと言って、洗浄液を泡立ててクリーニング効果をさらに高めるもの。操作は煩雑になるが、効果は一段と強力で、場合によってはマスターテープもかくや、と思わせる音になる。わたくし自身はレコードをマスターテープのように聴きたいわけではないけれど、他に適切な比喩が思い浮かばないので、そうさせていただく。もちろん、これは嫌な音の変化ではなかったし、ノイズ除去に関して、より期待できるので、ローリングブラシも導入することに決めた。先ほどのケーサンで言えば、一枚あたり約40円のアップとなるのだが、これも誤差の範囲としてもいいかもしれない、かな……。

 洗浄効果において、ハンルの製品に匹敵する製品は他にもあるかもしれない。しかし、操作の簡便さ等々という要素を加味すると、知る限り、ハンルのクリーニングマシンは最高である。わたくしにとって洗浄作業が面倒くさいのは変りはないが、導入から一年と少し、すでに推定500枚(つまり1,000面)をはるかに超える枚数のレコードをクリーニングしてしまっていることに、自分でいささか驚いている。これはいったいどうしたことでしょう。

 ヴァイナル・ファナティックの必需品として、強くお薦めする。

季刊ステレオサウンド編集長 小野寺弘滋

【写真左】オプションのローリングブラシを取り付けたところ。標準ブラシと交換して使うこともできる
【写真右】洗浄中のローリングブラシ。駆動力はターンテーブル外周に接したローラーから得ている。飛沫が飛散しないよう、アクリルカバーも付属。この洗浄中のこの写真で、盤面の洗浄液が波打つと同時に泡立っているのがわかるだろう
製品仕様

●付属品:洗浄液500ml/吸引アーム用ベルベット・リップス(スペアー)
●寸法/質量:W380×H240×D380mm/重量約17kg
●オプション:ローリングブラッシ/洗浄液500ml

 
販売元 輸入総代理店アンダンテラルゴ
商品に関するお問合せ 輸入総代理店アンダンテラルゴ 電話番号0120(77)3412
Hannl メラEL
550,000(税込)
送料 無料
Hannl ダストカバー
30,000(税込)
送料 無料
Hannl ローリングブラシ
118,400円(税込)
送料 無料
Hannl 洗浄液(2,000ml)
17,800円(税込)
送料 無料
HOME >>